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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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2327 日鉄ソリューションズ

東証P
4,915円
前日比
-10
-0.20%
PTS
4,915円
09:15 03/29
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
19.7 2.01 1.63 0.98
時価総額 4,497億円
比較される銘柄
NTTデータ, 
ビプロジー, 
NESIC

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株価、雲の上へ――“クラウド関連株”飛躍の時 <株探トップ特集>


IoT時代迎え拡大する市場、加速する成長期待―

 ここにきて、いわゆる“トランプ相場”の勢いは減速傾向にある。企業の好調な決算発表も日経平均株価を大きく浮揚させるには至っていない。しかし、必ずしもこれは全体相場の地合い悪を意味するものではなく、中小型株を中心としたテーマ買いの動きは旺盛だ。トランプ大統領の打ち出す保護主義的色彩の強い政策や、それに付随したトランプ“口撃”による円高圧力もそこから距離を置いた銘柄であれば怖くない。そのなか、成長期待をにわかに株高に反映させ始めたのは、ずばり「クラウド関連株」である。

●アマゾンVSマイクロソフトで活性化する市場

 あらゆるものをネットでつなぐIoT時代の到来や、ビッグデータの本格普及がクラウド市場急拡大の原動力だ。IoT社会の進展が今後加速的に進み、2020年には全世界で500億台の機器がネット接続され膨大な情報が生み出される。こうした環境下、ハード面では3次元NAND型フラッシュメモリーをはじめ新たな半導体需要が喚起されているが、一方で構造的な側面からは、企業がシステムをネットワーク経由で使うクラウドの活用を急速に推進させる背景となっている。

 「現在はシステムを更新してもあっという間に陳腐化してしまうリスクがあり、最先端のレベルに常に対応できるクラウドの活用は今後一段と進むだろう」(国内証券アナリスト)と指摘されており、同市場で先駆する米国に日本も追随していく形となりそうだ。米国では同分野に積極的に経営資源を投入するアマゾンが圧倒的な存在感をみせているが、これをマイクロソフトが猛追、さらにIBMも虎視眈々と巻き返しを狙う構えで、企業間競争が日増しに先鋭化している。アマゾンの16年10-12月期の最終利益は前年同期比55%増と高水準の伸びをみせたが、これは高利益率のクラウドサービス「AWS」が収益を牽引したことによるもの。また、マイクロソフトもクラウドサービス「Azure(アジュール)」で対抗、同部門を成長の柱に位置付けている。

●富士通、NTTなど中心に3兆円マーケットを深耕

 今後日本でも富士通 <6702> やNTT <9432> グループなどを中心にクラウド分野での競争が本格化しそうだ。実際、IT大手の業績は同分野が大きく貢献しているケースが多い。例えば、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> の16年4-12月期の営業利益は前年同期比1.5倍の147億4700万円と高変化。クラウドサービスの契約社数の増加が寄与している。また、オービック <4684> も16年4-12月期営業利益は増益を確保して同期間のピークを更新しているが、やはりクラウドの伸びが業績を押し上げた。

 また、クラウドサービスの普及は光ファイバーなど情報通信分野の物理的な需要創出にもつながっている。古河電気工業 <5801> は数十億円を投入して米国工場の光ファイバー生産能力を大幅に強化する方針が伝わっているが、これはIoTと共に進化するクラウドサービスの拡大なども背景にあるという。クラウドの経済的波及効果はリアルな形で思わぬところに広がりをみせていく。

 2015年度の国内のクラウド市場の規模は既に1兆円を上回っており、2020年度には3兆円を超える水準に達するとの試算もある。巨大市場を前に関連銘柄へのマークは今後一段と高まりそうだ。

●クラウドの森で巨木へと成長する有望銘柄群

 ネット接続サービスを手掛けるインターネットイニシアティブ <3774> はNTTが筆頭株主で、法人向けで強みを持ち、クラウドやセキュリティーでの実績が今後生かされそうだ。クラウド導入支援が好調で成長路線を走るコムチュア <3844> も実力は折り紙付きで市場の注目度は高い。NTTグループではシステムインテグレーション(SI)最大手でAWS案件にも強いNTTデータ <9613> が中核。製鉄所の生産管理を発祥とするシステム構築大手の新日鉄住金ソリューションズ <2327> もクラウド育成に注力している。

 このほか、株価水準訂正余地の大きいクラウド関連株としては、まず、ITコンサルティングを展開し、自治体のクラウド化に際し総務省から実証試験を受託した実績を持つITbook <3742> [東証M]や、IoT活用モバイルクラウド基盤「プラティオ」を今月6日から販売開始したインフォテリア <3853> [東証M]。人型ロボット「Pepper」向けクラウドサービスを共同開発したフライトホールディングス <3753> [東証2]。また、営業支援のマルチクラウド対応「eセールスマネージャー」を展開するソフトブレーン <4779> 。さらに同社と連携してクラウドサービスを提供することを発表したシャノン <3976> [東証M]なども人気化素地を持っている。

 クラウドソーシング大手のリアルワールド <3691> [東証M]やクラウドワークス <3900> [東証M]も動意含み。都市型データセンターを運用しクラウドサービス「C9(シーナイン)」を展開するブロードバンドタワー <3776> [JQ]も妙味大。クラウドを活用して社内書類の電子化による業務効率化を担うエイトレッド <3969> [東証M]や、農業向けIoTとして提供する温室内環境遠隔監視システム「みどりクラウド」を展開するセラク <6199> [東証M]なども活躍期待が大きい。

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