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2216 カンロ

東証S
2,468円
前日比
+5
+0.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.7 2.36 2.92 7.93
時価総額 378億円
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カンロ Research Memo(8):中期経営計画の前半は飴、後半はグミがけん引する計画


■中期経営計画

2. 売上高拡大戦略
売上高拡大戦略で成長エンジンとなるのがグミである。グミに慣れ親しんだ世代の広がりとグミを知らないシニア世代への訴求、両方のアプローチによる需要の取り込みが期待できる。このためグミ工場を新設する計画である。松本工場内に2018年着工、2019年稼働の予定で、生産能力倍増と原価低減が見込まれる。足もと建築費が高騰しているが、グミ新工場は何よりも優先する考えである。そして、これまでボトルネック気味だったことから多様な製品開発ができずアイデアはたまっている。新ジャンルのグミを生産することも検討している。シニア層など市場拡大余地に加え地方スーパーやドラッグストアなど販売見込み先もある。ただし、稼働予定からも分かるように収益寄与は中期経営計画の後半になる見込みである。

だから、中期経営計画の前半は飴の収益貢献に期待を寄せることになる。飴の需要は低迷気味だが依然大きな市場であり、近年もカンロ<2216>の「金のミルク」や「ボイスケアのど飴」など新しい美味しさや機能を持つ製品が受け入れられている。このため、多様化する消費者ニーズに応えて付加価値の高い新製品を開発していけば、引き続き収益貢献することは可能と思われる。また、手軽に持ち歩きやすいサイズや形態のパッケージへの改良余地も大きいと考えられ、需要を喚起する製品を思い切って投入していくことになるだろう。

ある程度収益力が回復すれば、カルピス問題の際に一旦中止となった海外進出や新規菓子開発の計画が復活することも考えられる。ドメインの拡大は成長戦略に欠かせないので、いつまでも中止したままでいいはずはないからである。海外では、日本の飴への需要が強いアジアが、まさに今進出のチャンスである。新規菓子については、例えば錠菓だが、利便性や携帯性に優れることから拡大しているカテゴリーなのに、同社は手を付けていない。こうした新たなドメインに打って出ることこそ、「老舗」の進化を象徴することと言えるだろう。その際、三菱商事と連携している強みが一層発揮されるものと期待する。

3. ビジネスリスク
カンロ<2216>は1)菓子業界における競合、2)品質・表示、3)災害、4)コンプライアンス、5)風評、6)情報システム??などに事業リスクがあるとしている。

1)卸売業や小売業の競争が激化、系列化・統合化が加速、小売業(特にコンビニエンスストア)では頻繁に製品が入れ替えられ、大手小売のPBがメーカーの販売価格に影響を与え、消費者の選択眼も一層厳しくなっている。このためメーカー間の競争は一層熾烈になっており、こうした激しい競合が同社の収益や財務に影響を及ぼす可能性がある。また、人気ブランドがライセンスの移動などによって突然販売中止になることもあり、この場合も収益や財務に影響を及ぼす可能性がある。積極的な販促活動や既存主力製品のブラッシュアップ、優位性のある新製品の不断の開発こそが、同社にとって最善の対策と思われる。
2)~4)及び6)の、食品会社としての製品の品質・安全性の確保、予期せぬ災害、コンプライアンス違反、コンピュータシステムのウイルス感染などは十分予測可能であるため、近年強化しているCSR活動(後述)の中で対応している。5)同社に起因する不適切事項が発覚した場合、速やかに適切な対応を取る方針になっている。しかし、同社への悪質な風評が発生・流布した場合、たとえそれが虚偽であったとしても、同社の社会的信用を毀損し、収益や財務に影響を与える可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《TN》

 提供:フィスコ

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