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材料株“夢特急”、発車ベル鳴る「大化け予備軍」10銘柄 <株探トップ特集>


―衆院選抜けると別世界の強気相場、フシなき道行く東京市場の要注目株リストアップ―

 「トンネルを抜けるとそこは雪国であった」というのは川端康成の小説『雪国』の有名な一節だが、東京株式市場では10月に入ると、その前方にはまさに別世界と言ってよいほどの強気相場が待っていた。

 米国株市場を中心とした世界的な流動性相場の大波に乗ったとはいえ、日経平均株価は過去最長の16連騰を達成し、その途上では、長きにわたり“アベノミクス相場”における高値だった2015年6月の2万868円を躊躇する気配もなく通過、そしてきょう27日には大引けで一気に2万2000円の大台に乗せるという荒業をみせた。時価は1996年7月以来約21年ぶりの高値圏で、仮に同年6月につけた高値2万2666円を上回れば、次はバブルの余韻冷めやらぬ91年3月につけた戻り高値2万7146円までフシは見当たらない。

●アベノミクス成長路線回帰で脱デフレ相場本番へ

 衆院選の与党大勝を経て再び「安倍1強」体制が確立され、アベノミクス成長重視路線にもう一度回帰することへのマーケットの期待は大きい。安倍晋三首相が第一義とする脱デフレに向けた近道があるとすれば、その入り口は紛れもなく今の東京株式市場にある。日経平均2万2000円台からの旅路はその一歩一歩が「デフレ脱却」という命題クリアに向けた実りある前進となりそうだ。

 米国経済の好調ぶりは今さら改めて強調するまでもないが、米国の好業績期待を引き継いで、来週以降発表が本格化する日本企業の4-9月期もまた好決算が見込まれている。事前の市場コンセンサスのハードルが高すぎるがゆえ、好調な数字もしくは業績予想の上方修正を発表しても利益確定売りに値を下げる銘柄も出ているが、これは一時的な現象に過ぎない。海外機関投資家の買いが継続し、これに持たざるリスクが意識され始めた国内機関投資家の買いが追随するとすれば、今の企業のファンダメンタルズの強さは、業績相場への強力な足場となることは想像に難くない。

●成長シナリオ模索で材料株相場再燃、要注目銘柄は

 さて、個人投資家にとっても活躍の舞台が整ってきた。投資主体別売買動向で個人は10月第3週も現物大幅売り越しとなり、これで9月第2週以降6週連続の売り越しとなっているが、そこに反映されていないのが短期資金の回転売買だ。実際に物色意欲は旺盛で、個別材料株の動向は全体指数の上昇以上にダイナミズムをみなぎらせている。また、6週連続の売り越しで積み上がったキャッシュポジションは、そのまま次の大相場に向けた待機資金となっていることも忘れてはならない。

 決算を拠りどころとした買いが一巡すれば、市場は再び成長シナリオを模索したテーマ買いの様相を強めることになりそうだ。足の速い材料株への物色ニーズはここから先、色褪せるどころかさらに加速する公算が大きい。

 もうすぐ11月、冬への渡り廊下となる「霜月」を目前に、ひと際燃え上がる材料株の一群にスポットを当ててみた。別掲の10銘柄は、高パフォーマンスが期待できる有力候補として目先要マークとなろう。

●中国関連で浮上する関門海、タカキタ

 まず、「安倍1強」ならぬ今の相場の裏テーマとなっている中国「習1強」関連として上値に可能性を秘めているのが関門海 <3372> [東証2]だ。

 直近、宮越ホールディングス <6620> が人気化しているが、これは25日に中国で2期目の習近平体制が始動し、習氏への権力集中に伴う長期政権の可能性が高まったことが背景にある。中国の権力闘争に左右されるリスクが軽減されたことで、同国への日本企業進出にポジティブに作用するとの見方が強まった。そのなか、宮越HDの連続ストップ高は中国への事業展開で先駆する企業にとって追い風が強まることを暗示している。

 関門海は関東と関西を中心に格安フグ料理をチェーン展開しているが、中国にも出店。ふぐ料理は中国人の間で人気が高いといわれるが、中国では2016年にフグ食が解禁されたばかりということもあって、今後ブーム化する可能性もある。株価は調整十分で5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが接近している。

 同じく、中国関連 ではタカキタ <6325> も極めて有力だ。飼料系農機メーカーで、農業機械の新製品開発・販売に経営の重心を置いているが、中国の大規模な農業政策に後押しされる形で今後、付加価値の高い農作機械の需要が伸びる可能性もある。18年3月期営業利益見通しは前期比横ばいの8億円を見込むが、第2四半期時点で前年同期比34%増の5億9700万円と好調で対通期進捗率は75%に達している。

●見落とされている有望株は人材派遣のヒップ

 衆院選の与党大勝を受けて自民党の選挙公約関連では、教育無償化の流れを受けたウィザス <9696> [JQ]や働き方改革で脚光を浴びる人材派遣関連としてアウトソーシング <2427> などが見直される可能性がある。ウィザスは集団指導塾「第一ゼミナール」を主力に展開するが、先端教育で独自のプログラムとノウハウを確立しており、業容の幅が広い。18年3月期は営業6割増の10億1600万円を見込む。また、アウトソーシングは製造ラインへの人材派遣や製造請負、研究開発の受託などを手掛け、大手自動車メーカーや、電機業界向けで強みを持っている。

 派遣業界では、開発系技術者派遣のニーズが特に高いが、そのなか見落とされている有望株がある。それは、取引先にデンソーテクノやパナソニックグループなどを持ち、ここ数年来大幅増収増益基調を続けているヒップ <2136> [JQ]だ。自動車業界向けが主力だが、IoT時代を迎え、半導体や電子設計、情報通信分野への展開でもビジネス機会を確保しそうだ。PER11倍でROEは12%台と2ケタ水準を維持している。

 国策関連といえば、国土強靭化など防災面の充実も安倍政権に残されている課題である。ずばりオリジナル設計 <4642> [東証2]が意外性を内包している。同社は上下水道や水質保全など水処理のパイオニアで防災関連としての側面も持つ。国内の下水道は道路に次ぐインフラ資産。法定耐用年数超えに伴う更新需要は膨大で、同社の収益チャンスにつながっていく。

●トヨタグループの恩恵享受するダイハツディ

 一方、ここ円安進行でフォローの風が吹く自動車業界だが、一部のメーカーは出荷前の完成車の無資格検査などの問題が明るみに出て株価面でもネガティブに働いている。そのなか相対的な強さを浮き彫りとしているのが業界の盟主であるトヨタ自動車 <7203> だ。株価も約10ヵ月ぶりの年初来高値更新を指呼の間に捉えている。そして、このトヨタグループで注目されるのが、ダイハツの関連会社で発電エンジンを手掛けるダイハツディーゼル <6023> [東証2]である。18年3月期は経常利益段階で従来予想の24億円から35億円に大幅上方修正し、3割減益予想から一転、小幅ながら増益見通しに変わるなど業績面でも見直し機運が高まっている。

 また、自動車メーカー向けプラスチック内装品を手掛ける天昇電気工業 <6776> [東証2]は昨年10月から1年間にわたり、26週移動平均線をサポートラインとする強力な上昇トレンドを形成している。18年3月期は経常32%減益見通しながら、これについては株価に織り込み済みだ。物流産業資材や雨水貯留浸透漕製品にも展開、これが収益に寄与しており、第1四半期時点の経常利益は29.7%増の2億8900万円で対通期進捗率は33%に達している。10倍前後の低PER、24%の高ROEも魅力となる。

●ニレコに産業革命の追い風、バイオ人気復活でテラ

 世界に目を向ければ、今起きているのは人工知能(AI)IoTなどを変革エンジンとした産業のパラダイムシフトだ。そのなか、スマートフォンのハイエンド化を象徴として情報端末の高機能化はとめどなく進んでいくことになる。ニレコ <6863> [JQ]は独自技術を有する産業用制御器・計測器メーカーであり、パソコンなどのデジタル家電やスマートフォンなどの高機能フィルム、電気自動車(EV)向けに市場が急拡大する2次電池用位置制御装置などで今後第4次産業革命の恩恵を享受しそうだ。

 最後に「ゲノム編集」や直近閣議決定された「新がん対策基本計画」などを背景にここ動意含みのバイオ関連から、テラ <2191> [JQ]に注目したい。同社は東大医科研発のバイオベンチャーで樹状細胞ワクチン療法を主力としているが、内閣府の国家戦略統合特別区の指定法人となっており、がん治療分野での活躍が期待されている。

◇「材料株夢特急」発車のベルが鳴る大化け予備軍10銘柄◇

銘柄 <コード>         急騰性    中期的上値余地
ヒップ <2136> [JQ]     ☆☆☆☆   ◆◆◆◆
テラ <2191> [JQ]      ☆☆☆☆   ◆◆◆
アウトソシン <2427>      ☆☆☆    ◆◆◆
関門海 <3372> [東証2]    ☆☆☆☆☆  ◆◆◆
オリジナル設 <4642> [東証2] ☆☆☆    ◆◆◆◆

ダイハツデ <6023> [東証2]  ☆☆☆    ◆◆◆◆
タカキタ <6325>        ☆☆☆    ◆◆◆◆
天昇電 <6776> [東証2]    ☆☆☆☆   ◆◆◆
ニレコ <6863> [JQ]     ☆☆☆☆   ◆◆◆◆
ウィザス <9696> [JQ]    ☆☆☆    ◆◆◆

※急騰性は☆が多いほど強く、中期的上値余地は◆が多いほど大きい。

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