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テラ Research Memo(6):細胞医療事業は新規がん抗原の導入拡大などで早期黒字化を目指す


■決算動向

(2) 2015年12月期見通し

テラ<2191>の2015年12月期の連結業績は、売上高が前期比4.3%増の1,945百万円、営業損失が681百万円(前期は293百万円の損失)、経常損失が711百万円(同330百万円の損失)、当期純損失が726百万円(同402百万円の損失)となる見通しで、期初計画から下方修正している。細胞医療事業において、樹状細胞ワクチン療法の症例数が第2四半期まで計画を下回って推移しており、下期も上期並みの水準が続きそうなこと、また、医薬品事業において薬事承認に向けた開発費用が増加することが要因となっている。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。

○細胞医療事業
第3四半期以降の施策としては、新たな基盤・提携医療機関の増加に取り組んでいくほか、新規がん抗原の導入拡大、エビデンス強化によるアカデミアへの認知活動、海外からの患者受け入れの拡大などに取り組んでいく方針で、早期の黒字化実現を目指していく。

このうち、2014年12月に契約を締結した福島県立医科大学において胃がん、食道がん、肺がんを対象に先進医療として治療の提供を開始した。また、海外からの患者受け入れに関しては年々増加傾向にあり、都内の契約医療機関では患者数の約1割にまでに達している。また、症例数拡大に向けた取組みとして、契約医療機関にグループ子会社のサービスを提供していくことによる相乗効果なども期待している。

○医療支援事業
医療支援事業では、子会社のオールジーン、テラ少額短期保険において新サービスの提供開始を予定している。

オールジーンに関しては、2015年5月よりハウステンボス「健康と美の王国」(長崎)内のクリニックにおいて、免疫検査や遺伝子検査などの最先端検査サービスの提供を開始しているが、2015年内にはBtoB向けのサービスも開始する準備を進めている。また、テラ少額短期保険では、保険商品として現在「免疫保険」のみとなっているが、2015年内に新しい商品を投入し、多様なニーズに応えていく方針としている。がん免疫療法は現在自由診療であり、全額患者の自己負担であることが症例数の伸び悩みの一因にもなっていた。同社が提供する保険商品の契約者数が増加してくれば、今後の樹状細胞ワクチン療法の症例数増加にもつながるだけに、その動向が注目されよう。

なお、利益面ではタイタン、オールジーン、テラ少額短期保険ともに通期でも赤字見込みである。また、バイオメディカ・ソリューションは細胞培養関連装置等の新規受注案件の売上げ寄与が2016年にズレ込みそうなことから減収減益となる見通し。

○医薬品事業
医薬品事業では、樹状細胞ワクチンの膵臓がんを適用領域とした薬事承認取得に向けた開発を進めていく。期初段階ではPMDAへの治験届を2015年に提出し、年内の治験開始を見込んでいたが、今回は治験届の提出時期を2016年に先送りした。試薬製造プロセスの検証作業等に時間が掛かったためだ。ただ、こうした問題点はほぼクリアされており、2016年中には治験届を提出できるものとみられる。治験体制の構築は順調に進んでおり、アライアンス先との交渉も同時並行で進んでいる。治験費用に関しては、治験症例数やライセンス契約締結の有無、契約時期やその内容によって負担額も変動することになる。

なお、薬事承認では再生医療等製品として条件付き(早期)承認制度を活用する予定で、症例数にもよるが治験開始後、順調に進めば3~4年程度で条件付き承認取得が得られる可能性がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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