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2186 ソーバル

東証S
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ソーバル Research Memo(9):インターンシップによる採用強化に加え、新卒社員の早期戦力化に注力


■優秀な人材確保のための採用戦術

ソーバル<2186>の主力であるファームウェアは、デジタル機器の性能競争が激化する現在において仕事はいくらでも確保できる環境にある。したがって、仕事をこなすための人員さえ確保できれば、比例して事業が拡大できる。

しかし、人材の確保は容易ではない。ファームウェアの開発は他のソフトウェア開発と違う特殊性があり、通常のエンジニアよりも高いスキルが求められ、それだけのスキルを持つエンジニアの絶対数がそもそも少ない。自社で育成するにしても、景気の回復に伴い、新卒の優秀な学生の確保が困難になってきている。このような背景から、人材確保は足元での最も大きな課題となっている。

この課題を克服するために同社は独自の採用戦術を展開している。2014年2月期までに自ら採用活動ができる体制を整え、2015年2月期からは、新たにインターンシップ制度を開始した。期間は3日間で、スマホアプリなどWebサイト開発を体験するコースと組込ソフトの開発を体験するコースの2つを設定。Webサイトのコースは、翌春に卒業予定の大学生を対象に文系理系を問わず募集する。組込ソフトのコースは、秋から翌春に卒業予定で、C言語プログラミングの経験を持つ大学生を対象に実施している。

移転後の本社も新卒確保の重要な“アイテム”になっている。JR山手線の大崎駅から徒歩10分程度の交通の便がよいインテリジェントビルで、これによって学生の同社への興味が増すことも期待している。

「人を何よりも大切にする」という経営姿勢も人材確保の大きなポイントと言える。エンジニアのワークライフバランスを充実するため、残業時間を極力減らす運営を行っている。また、東洋経済新報社が調べた「有給休暇取得率」ランキングでは、サービス業では2013年から3年連続で2位を獲得している。同じく社員に優しい「ホワイト企業」ランキングの最新版では、2011年卒業の新卒社員が3年間に1人も辞めなかった企業の1つに挙げられている。

ただ、この採用戦術も2016年2月期第2四半期では苦戦を強いられた。最大の要因は大学生の採用スケジュールの変更である。同社を志望する学生は大手メーカーを第1志望としているケースが多い。大企業の採用スケジュールが8月に後ろ倒しになったことにより、同社を志望する学生は大手メーカーの採用結果が見えてくる9月以降に集まる状況に変わってきているという。実際、9月時点での内定者は100人の目標に対し、50人程度にとどまっており、新卒の確保が遅れている。

そこで同社では9月にアンドロイドアプリの開発体験を行うインターンシップを1回、オルゴールの制御を行う組込ソフトの開発体験を行うインターンシップを2回開催した。いずれも予想以上の学生が集まったという。10月以降も採用を続け、11月以降には、エンジニアと懇談する形での1日インターンシップも開催する予定となっており、少しでも優秀な人材を数多く確保する努力を続ける。

とはいえ、仮に100人の新卒が確保できなかった場合でも、業績が悪化するわけではない。業務の効率化はまだまだ可能であり、2015年4月入社の新卒社員の早期の戦力化によっても人材不足に対応できるためである。したがって、人材確保は同社にとって最大の課題ではあるものの、質を落としてまで人数を確保することはしない方針を堅持するとしている。

人員の確保という面では、パートナー不足も2015年2月期に引き続いて課題となっている。同社は、事業バランスを考えて、売上高の5%をパートナー企業に外注するのを基本としている。ところが、景気回復によりパートナー企業のほうも忙しくなり、同社からの発注に十分に応えられなくなってしまっている。

ただ、これに関しても、子会社との連携を強化することによってある程度は克服されることが期待できるだろう。その点では、アンドール社のグループ入りは大きなプラス要因と言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

《HN》

 提供:フィスコ

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