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トライSTG Research Memo(4):2018年2月期はM&A効果により2ケタ増収見通し


■今後の見通し

1. 2018年2月期の業績見通し
トライステージ<2178>の2018年2月期の連結業績は売上高が前期比15.8%増の54,752百万円、営業利益が同6.7%増の1,488百万円、経常利益が同4.6%増の1,429百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.2%減の600百万円となる見通し。売上高については主力のダイレクトマーケティング支援事業が引き続き伸びるほか、前期に子会社化した海外の2社がフル寄与すること、2017年3月にM&Aで子会社化したインターネット広告事業を展開するアドフレックスの売上高が加わることが増収要因となる。

営業利益率が前期の2.9%から2.7%に低下するが、これは収益性の低い海外子会社の影響やNHAの立上げ費用などでマイナスの影響を見込んでいるため。また、M&A関連での一部コストのみを計上しているほか、人員採用強化による人件費の増加等も織り込んでいる。のれん償却額については前期の161百万円から大幅に増加する見込み。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となるのは、のれん償却額の増加や赤字子会社の増加等により実効税率が上昇することによる。なお、トライステージ単体の業績については売上高が前期比6.2%増の36,069百万円、営業利益が同19.6%増の1,723百万円と、引き続き好調に推移する見通しとなっている。

2. 事業セグメント別の見通し
(1) ダイレクトマーケティング支援事業
ダイレクトマーケティング支援事業の売上高は前期比16.7%増の39,539百万円となる見通し。このうち、テレビ事業については前期比6.6%増の35,999百万円、WEB事業はアドフレックスの子会社化により前期の110百万円から3,540百万円に拡大する見通しとなっている。

テレビ通販市場全体は横ばい水準で推移することを前提に、テレビ事業については業務の効率化やプロセス管理の強化、新業種・新規顧客の開拓に注力することで収益を拡大していく戦略だ。放送枠効果実績に基づいた顧客ごとの最適な放送枠の提案を高精度かつ迅速に進めるためのメディア枠割振りシステムの運用開始や、コールセンターの集約化などに取り組んでいく。また、テレビ以外のメディア売上についてもグループ会社と連携しながら注力していく。新業種・新規顧客の開拓では、過去の成功事例をモデルケースとし、顧客ごとの商品サービスに対応したソリューションを提案していくこと、営業人員の体制強化により開拓を進めていく方針だ。新業種としては商品販売に限らずクレジットカードやヘルスケア、老人ホーム運営等の顧客開拓を進めていく方針だ。

2018年2月期に入ってからも顧客の出稿意欲は引き続き旺盛で、メディア放送枠の仕入価格も安定的に推移している。粗利益率は業務効率の向上等の取組みによって前期比0.2ポイントの上昇を見込んでいる。

WEB事業では、2017年3月に全株式を取得し(取得額1,120百万円)子会社化したアドフレックスの業績が寄与することになる。アドフレックスの2016年12月期の売上高は3,249百万円、営業利益は190百万円となっている。売上高の2割強はライオン<4912>で占められるが、その他の顧客は通販事業者が大半を占めており、同社ともシナジーが得られやすいとの判断で子会社化した。前期末の純資産が541百万円となっていることから、のれんは約6億円程度と推計される。2016年12月期に売上高が前期の2,165百万円から5割以上も大きく伸びているのは、新規顧客の開拓を本格的に開始し顧客数が増加したことや、ライオン向けの売上増が主因となっている。従来は主要顧客の意向もあって積極的な営業活動ができなかった。

今後は同社とアドフレックスでテレビ、Webの両メディアの総合的なサービスの提供、並びに動画広告など新サービスの開発を進めていく予定となっており、Web広告事業の成長ポテンシャルは大きいと言える。2018年2月期のWEB事業の売上計画については今後のシナジー効果も考えると保守的で、上振れ余地は大きいと弊社では見ている。

(2) ダイレクトメール発送代行事業
ダイレクトメール発送代行事業の売上高は前期比1.4%増の11,700百万円と微増収で計画には織り込んでいるが、足元の市場環境は引き続き追い風で、上振れ余地は大きい。2018年2月期の戦略としては、「営業体制の強化」「DM値上げ対応」「川上領域への事業拡大」の3つの戦略に取り組んでいくことで、更なる収益拡大を目指している。

営業体制の強化では、関西エリア強化のため営業人員の増員(2?3名増)を予定しているほか、同社との営業連携強化も進めていく。また、2017年度中にハガキ及びDM便の値上げが予定されており、中小規模のDM発送代行事業者にとってはさらに厳しい経営環境になりそうで、同社にとってはシェア拡大及び直接取引比率拡大の好機になると見られる。収益性向上のためここ数年の課題となっている川上領域(顧客分析、DM企画・制作、印刷、封入作業)への展開も進めていく予定となっている。川上領域への事業展開については、他社との連携もしくはM&Aを実施することで実現していく考えだ。

(3) 海外事業
海外事業の売上高は前期比194.5%増の1,969百万円となる見通し。JML、Merdisの業績がフル寄与するほか、4月に設立したタイの輸入卸売会社を通じた商品販売の拡大が見込まれる。商流としては日本や韓国からの商品をMerdisが一旦仕入れて、そこからインドネシア、マレーシア、シンガポール、タイに供給していくことになる。商品としては化粧品や雑貨、家電製品などを予定している。商品については現地のニーズに即した低価格品を国内の製造受託メーカーと共同開発することを検討している。また、東南アジア各国におけるリテール販売については資本業務提携先である双日<2768>のネットワーク、ノウハウなども今後活用していくことを視野に入れている。なお、利益面については2018年2月期も損失が続くが、前期からは損失額も縮小する見込みとなっている。

(4) その他事業
その他事業の売上高は前期比26.2%増の1,543百万円となる見通し。日本百貨店については、2017年2月期途中に出店した店舗やオンラインストアによる販売増、海外向けの販売開始などで増収増益を見込んでいる。ただ、営業開始初年度となるNHAで2億円程度の立ち上げ負担を見込んでおり、事業セグメントとしては損失が続く見込みとなっている。

NHAについては頻尿や更年期障害等に向けた漢方薬の販売からスタートしているが、今後はサプリメントなど商品アイテム数も拡大していくことで、3年後に売上高15億円、営業利益の黒字化を目標としている。なお、通販事業を自社グループで開始することで、ダイレクトマーケティング支援事業の顧客と競合することによる営業上の影響が懸念されるが、顧客からは業界の活性化につながるものとして前向きに評価されているとのことで、その心配はないと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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