トラストテック Research Memo(10):英MTrecの事業は順調に進捗し、想定どおりの収益を確保
■業績動向
4. 海外領域の動向
海外領域の2017年6月期の業績は売上高7,399百万円(前期比6,941.2%増)、営業損失45百万円(前期は13百万円の損失)、EBITDA304百万円(前期は13百万円の損失)と、大幅増収かつEBITDAの大幅黒字転換となった。
海外領域の大きな変化はMTrec買収によるものだ。同子会社は3月決算であり、トラスト・テック<2154>の2017年6月期決算には、2016年4月-2017年3月の12ヶ月分がフルに織り込まれている。
そのMTrecの業績は堅調で、日系企業を中心とした自動車業界等からの人材需要を取り込むことができた。MTrecの売上高は7,343百万円で為替レートの影響を除いたベース(現地通貨ベースと同義)で前期比15%増を記録した。
もう1つの海外展開地域であるアジアについては、従前からの香港に加えて、2016年9月にはインドネシアに人材紹介業を営む現地法人を設立した。2016年10月には中国山東省において日本式人材派遣業を営む合弁企業が事業を開始した(持分法適用会社であるため収益影響は経常利益以下)。これらアジアの収益貢献度はまだ小さい。
海外領域セグメントの営業利益とEBITDAの差は、MTrec買収に伴うのれんの償却費によるものだ。同社ののれんの償却期間は10年となっている。MTrecの実態はEBITDAが示すとおりで、営業利益率で5%程度の収益性を有するとみられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
《HN》
提供:フィスコ