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2016年08月31日16時19分

トラストテック Research Memo(4):製造系領域セグメントの採算性は着実に改善しつつある


■事業セグメント別の詳細動向

(2)製造系領域

a)業務の概要
“製造系領域”は従来の“製造請負・受託・派遣事業”から名称変更したものだ。すなわち、顧客企業の製造ラインの操業に関する請負や、製造スタッフの派遣を行う事業だ。具体的な業務内容は、構内請負と製造スタッフ派遣の2つに大別される。その内訳は時々により40%~60%の範囲で変動するが、2016年6月期はおおむね構内請負40%、製造スタッフ派遣60%という構成だったもようだ。

製造系領域の社員数の推移を見ると、前述の技術系領域のそれとは若干様相が異なることに気付く。製造系領域の社員数は、2,000人から2,500人のレンジで変動している。これは、製造請負・派遣の需要変動への対応のためだ。また製造請負・派遣の需要は、顧客企業における労務費削減需要に根差している。こうした背景があるため、トラスト・テック<2154>も製造系領域の社員は正社員と非正規雇用社員とを組み合わせた構成としている。これらが同社の製造系領域セグメントの人員の変動として表れている。

1)事業の収益性
製造スタッフの派遣・請負は、一般的に、技術者のそれに比べて単価が約30%低い。また需要の繁閑に左右されるため、単価の変動も激しく、加えて契約期間も短い傾向がある。このような要因から、製造請負・派遣は収益性がそもそも低いという状況にある。また、製造請負と製造スタッフ派遣とを比較した場合、現状は両者とも同程度とみられる。事業の本質から言えば、請負の場合は自助努力による生産性向上などにより収益性を高める余地が生まれるため、派遣よりも高い収益性を獲得できる。しかし現実には、顧客から提示される単価や条件が厳しいため、請負で余剰の利潤を獲得するのは難しい状況だ。

製造請負・派遣事業の収益性を考える場合、後述する人材獲得における工夫によって、事業の採算性の底上げを図ることがむしろ優先度の高い課題と言える。

2)人材獲得策
製造請負・派遣事業においても人材の獲得とその効率的な運用が収益拡大のポイントであることは同じだ。しかしながら、技術者派遣と比べた場合、単価や契約期間などの点で大きな違いがあるため、事業戦略も変わってくる。製造請負・派遣における“効率的な人材運用”というのは、地域性と切り離しては考えられない。北海道にある工場から製造請負を受注して、そこに関東在住の製造スタッフを送り込むことを考えればわかりやすい。製造スタッフの宿泊施設の確保などを考えれば収益性が圧迫されるのは明白だ。反対に、工場近在の製造スタッフを集めることができれば、大きな経費節減につながる。

こうした製造請負・派遣事業の特質を踏まえ、同社では顧客企業の開拓は全国を対象としつつ、人材獲得に際しては“地元採用・地元就職”をキーワードに活動を行っている。すなわち採用マッチングの効率化だ。こうした地道な努力が奏功して、同社の製造系領域セグメントの採算性は着実に改善しつつある。

b)足元の動向
製造系領域セグメントにおける需要は、やはり好調が続いている。引き合いは輸送用機器メーカーや電気機器メーカー等を中心に増加基調にある。そうしたなかで同社は、利益確保と採算性を重視する経営方針に基づき、採用マッチングの効率化や案件ごとの利益確保を重視した受注姿勢の徹底を実践している状況だ。

そうした施策が奏功し、2016年6月期の製造系領域セグメントの利益率は3.5%に改善した。製造請負業界にあっては、3.5%という利益率は十分合格点が与えられる水準とされている。しかしながら、同社では、製造系領域セグメントの利益率目標を5%に掲げており、今後も地元採用・地元就職に象徴される採用マッチングの効率化や地域性を踏まえた顧客開拓などを通じて、製造系領域事業全体の効率化を図り、5%の利益率を目指す方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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