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2146 UTグループ

東証P
3,390円
前日比
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PTS
3,392円
14:58 04/18
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
21.9 5.16 2.74 8.29
時価総額 1,336億円
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UTグループ Research Memo(5):熊本地震の影響を考慮した会社計画は保守的


■業績動向

(3) 2017年3月期業績見通し

UTグループ<2146>の2017年3月期は、売上高が前期比8.6%増の47,840百万円、営業利益は同2.8%増の2,530百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同8.2%増の1,620百万円と、1ケタの増収・増益を見込む会社計画となっている。

売上高、営業利益で1ケタの増収増益を予想するのは、4月に起きた熊本地震で待機人員が増加したことなどの影響(5月現在、売上高、営業利益で200百万円)を織り込んだことが主要因。もっとも、それ以外は月間500人採用体制をベースに月間750人採用の安定化に向けた採用体制を構築することで、期末の在籍社員数は1万2,000人超、顧客業種の分散が進み、収益基盤が安定することにより堅調に推移する予想となっている。売上総利益は前期比5.0%増の9,180百万円を計画しているものの、売上総利益率は熊本地震の影響を織り込んだことなどにより、前期の19.9%から19.2%へ0.7ポイント低下すると見ている。一方、販管費は、採用効率の向上と採用費を売上高の3%以内に抑えることで、全体の適切なコントロールを行う計画で、販管費比率は前期の14.3%から13.9%へ低下する見通し。これらにより、営業利益は1ケタ増益にとどまり、営業利益率は5.3%と前期に比べ0.3ポイント低下する予想となっている。

5月初旬時点における熊本地震の影響については、同社は「九州地方で顧客企業20工場が被災したものの、BCP対策などにより建物、設備に被災の影響を受けなかった工場も多く、ゴールデンウィーク明けには大半の工場で生産が再開された。しかし、一部の工場(主に半導体)では生産再開に遅れが出ている」としている。このため、生産停止中の工場に勤務する従業員を一時的に他工場へシフト、顧客向上稼働停止期間分の振替稼働や休日稼働によるリカバリーなどの対応を行ったものの、400人、2ヶ月が不稼働になると想定し、売上高、営業利益で2億円のインパクトを計画に織り込んだ。その後の状況では、九州を中心に西日本地域への工場へのシフトが進んだことから、地震の影響は極めて一時的で、懸念する必要はないもよう。

事業セグメント別の戦略、取り組みは以下のとおり。

a)製造派遣事業
技術職社員数を期末までに1万1,000人体制を目指す。その実現に当たり、売上、営業面では、既存顧客ではインハウスシェアの拡大を継続するほか、新規顧客では適正契約条件の案件に照準を合わせた新規営業活動を展開する。採用面では月間750人採用の安定化に向けた採用体制を構築する。従業員向けには、教育研修の充実とスキル向上により給与アップが可能となる仕組みの構築と、キャリア形成支援体制の強化を図ることにより、定着率の上昇を目指す。

b)エンジニア派遣事業
エンジニア派遣事業の前期比20%以上の成長を実現し、第2の事業柱へ育成する。その実現に当たり、採用面では採用インフラの整備を行い、中途採用活動の拡大、通年の新卒採用を行う。売上面では、営業強化により新規優良取引先を増やすことで、マッチング率を向上させ、平均稼働率のアップを図る。さらに、製造派遣事業と連携することで、製造派遣事業のクライアント企業への紹介を行う。従業員向けには、シーメンスTPPプログラム※をはじめとした従業員の教育・育成メニューの提供を行うほか、One UTプロジェクトによる効率的な技術者確保と従業員の給与アップを目指す。

※優秀なPLM(製品ライフサイクル管理)人材の育成と輩出や、キャリアアップを目指す教育事業の推進を目的として、米シーメンスPLMソフトウェアの日本法人シーメンス(株)と締結した「Training Partner Program」。

弊社では、1)熊本地震の影響は一時的で懸念する必要はないもようである、2)2015年9月に施行された改正労働者派遣法は同社にとってプラス要因として働いている、3)新型車、次世代スマートフォンなどの同社の主力顧客業種における需要が旺盛である、4)高単価、高採算案件を選別受注している、などを考慮すると、熊本地震の影響を織り込んだ会社計画は保守的であると見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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