貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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1963 日揮ホールディングス

東証P
1,549.0円
前日比
-25.5
-1.62%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.4 0.93 2.58 12.61
時価総額 4,019億円
比較される銘柄
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東洋エンジ, 
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決算発表予定日

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拡大する世界需要 「LNG関連株」急浮上へ<株探トップ特集>


―カギ握る中国、相次ぐプロジェクト再開で業界は商機到来に沸く―

 世界的に LNGへの投資が活発化してきている。2014年からの資源価格の低迷を受けて、各地のLNGプラント計画の多くは手控えられていたが、価格の回復とともに、事業の採算が合うとみた事業者が再開に乗り出した。投資の再開・活発化は日本のプラント業界などへも追い風となり、古くて新しいテーマとしてLNG関連が再び注目されている。

●中国がLNG輸入量世界2位に浮上

 この背景には、中国の需要が急拡大していることがある。中国政府は、深刻な問題となっている大気汚染への対策として、発電設備や工場のボイラーなどで使用する燃料を石炭や重油から環境負荷が低い天然ガスへ切り替える方針を掲げており、これに伴い輸入量が増加している。中国の17年のLNG輸入量は、前年比で約5割増となり、韓国を抜いて、世界2位となった。

 さらに中国では、16年に6%であった1次エネルギー消費構成比率に占める天然ガスの割合を30年に15%に引き上げる方針であることから、今後も輸入量は拡大が続くだろう。現在、世界最大のLNG輸入国は世界輸入量の約3分の1を占める日本だが、30年には中国が日本を抜き世界1位になるとみられている。

●早ければ22年にもLNGは供給不足に

 これまでLNGは米国でのシェールガス増産などを背景に23年ごろまで供給過剰が続くとの見方が一般的だった。

 しかし、前述のように中国が輸入量を増やしているほか、経済発展が著しいインドやタイなど他のアジア諸国でもLNGへのシフトが急ピッチで進み、輸入を増やしていることから、想定よりも早く世界需要が供給能力に追いつくとの見方が台頭している。一部では、LNG開発の投資が停滞したままでは、早ければ22年にも供給不足になるとの見方もある。

 これに対して、一般的なLNGプロジェクトは着工から生産開始まで4~6年かかることから、世界の資源大手はこぞってLNG開発を強化している。

●米で2年ぶりにLNGプロジェクトが始動

 具体的に既にプロジェクトを再開したケースも増えている。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS)社と三菱商事 <8058> などは、事実上凍結していたカナダ西部のブリティッシュコロンビア州の大型LNGプラントを再開。これを日揮 <1963> と米フルアが共同で受注した。受注額は非公表としているが、日本経済新聞によると約1兆5000億円としており、業績へのインパクトも大きい。

 また、米シェニエール・エナジーは5月、米テキサス州で建設中のLNGプラント2基に加えて3基目の増設を決定したと発表した。米国でLNGプロジェクトが着工されるのは、IHI <7013> が16年に受注したジョージア州の計画以来約2年ぶりのこと。建設は米ゼネコン最大手のベクテル社が担当する。

●日揮は「ジョーダンコーブ」を受注

 こうした流れを受けて、日本のプラント各社も攻勢を強めている。

 日揮は前述のカナダの案件に加えて、米国オレゴン州で進められる西海岸初の大型LNGプラント「ジョーダンコーブ」プロジェクトを受注している。米西海岸で生産されるLNGは、アジアへの輸送コストの面でメキシコ湾などと比べて競争力があることから、アジアからの関心も高い。

 同社では19年3月期に海外で8500億円、国内で1500億円の受注を見込むが、米国のゴールデンパスLNGプロジェクトやモザンビークの陸上LNGプロジェクト(エリア4)、アフリカ西海岸におけるFLNG(浮体式LNG生産施設)などについて戦略的に受注活動を行うとしている。

●千代化は今期LNG関連で3.2倍の受注目指す

 また、千代田化工建設 <6366> は、今年3月、カタール国営石油会社からLNGプラントの基本設計を受注した。同社では19年3月期の受注高について、前期比2.6倍の8000億円を見込むが、うちLNG・その他ガスについては同3.2倍の4000億円を見込む。

 5月11日に行われた決算説明会で山東理二社長は「米国、モザンビークの大型LNG案件のうち、最低でもどちらか1件を受注する」とコメントした。また、同社が納入実績を持つパプアニューギニアやカタール、ロシアなどでも大型案件が動き出していることから、これらの案件を受注に結びつけるべく基本設計などに力を入れる方針としている。。

●プラント周辺関連銘柄にも商機

 このほか、超低温用に開発したウレタンフォームがLNG地下タンク用の保冷パネルなどとして使われている日清紡ホールディングス <3105> や、LNG基地の保冷工事などを手掛けるニチアス <5393> 、移送用のサブマージブルモータポンプを手掛ける荏原 <6361> や日機装 <6376> 、タンクのトーヨーカネツ <6369> なども商機拡大が期待されている。

 また、大阪ガス <9532> は5月、台湾のLNG受け入れ基地の建設でコンサルティング業務を受注したと発表しており、アジアにおけるLNG関連事業の拡大を図る。さらに、アジアをはじめとする新興国ではFLNG基地が急増しているが、日本の商社や海運、電力・ガス会社などが運営の受注に力を入れており、今後注目が高まりそうだ。

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