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1961 三機工業

東証P
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PTS
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.6 1.24 3.18 19.15
時価総額 1,247億円
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決算発表予定日

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三機工業 Research Memo(7):100周年に向けた長期ビジョン、『質』を高める3年間の中期経営計画を策定


■中期経営計画

(1)“Century 2025”計画の概要

三機工業<1961>は2016年3月期を最終年度とする中期経営計画「SANKI VITAL PLAN 90th」に取り組んできた。この中の数値目標として、売上高200,000百万円、経常利益10,000百万円を掲げていたが、残念ながら実際の数値はこの目標を若干下回る結果となってしまった。しかし、計画策定当時からこれまでの間の公共投資の減少や不動産事業における大型賃貸物件の契約期間満了に伴う利益の減少などを考慮すれば、この目標はほぼ達成されたと言っても過言ではないだろう。また中期経営計画の目的は単に数値目標の達成だけではない。同社は、定量的な利益目標以外にも多くの定性的目標を掲げ、その目標に向けた施策を実施してきた点は評価に値するだろう。

さらに今期(2017年3月期)から創立100周年の2026年3月期に向けて、10年間の長期ビジョン“Century 2025”を発表した。この長期ビジョンの最終目標を「選ばれる会社」と定め、その目標達成のために10年間を以下の3つのPhaseに分け、事業戦略を推進していく方針だ。

(2) 新中期経営計画“Century 2025”Phase1の重要施策と数値目標

第1ステップであるPhase1の重点施策として、1:コア事業の強化、2:成長戦略の推進、3:三機ブランドの向上、を掲げ、以下のような施策を実行していく方針だ。

1.コア事業の強化:要素技術を高め、安定成長を図る
・建築設備事業
□コスト削減・業務効率化:調達機能の強化、現場業務負担軽減等
□営業・設計体制の見直し:ICT活用の推進、設計支援体制の再構築等
□ファシリティシステム事業の強化:事業拡大に向けた営業・生産体制の強化等
・機械システム事業
□強みを活かした市場戦略:ロボットを組み込んだ搬送システムの開発等
□ 生産体制の再構築:大和地区工場の生産体制の再構築等
・環境システム事業
□主力事業の強化:戦略商品の拡販、次期戦略商品の開発、生産性の向上等
□事業領域の拡大:省エネ・創エネ事業領域への展開等

2.成長戦略推進の施策:未来に向けた技術と領域の成長
・大和地区の再開発
□ 技術を高める研修・研究施設の新設:三機大和ビルを「(仮称)三機テクノセンター」としてリニューアル
□生産施設の再構築:大和地区の工場をリニューアル
・ 事業領域拡大・新技術への挑戦:次世代技術の進展への対応を図る研究所のリニューアル、厨房分野の事業拡大、海外事業の着実な展開等
・ ストックビジネスの推進:(新築→保守メンテ→リニューアル→建替)という建物のライフサイクルに応じたエンジニアリング事業の推進
・ ファシリティシステム事業の領域拡大:プロパティマネジメントなどの新たな事業領域への進出、危機管理、セキュリティなどソリューション営業の強化
・成長投資:既存事業だけでなく要素技術を活かせる領域への積極的投資等
3.三機ブランド向上の施策:「三機らしい」人財の育成
・ グループ社員の「三機らしさ」の向上:集合研修に加えてe-ラーニング活用の教育プログラムも展開、全国の各拠点・各部門間での教育の充実
・ より働きやすく:より公平性のある社内制度や給与体系などの整備を継続的に推進、長時間労働対策の推進
・ ダラリ(ムダ、ムラ、ムリ)の改善:事故、手戻り、トラブルを低減する施策の推進等

●数値目標
“Century 2025” Phase1の数値目標としては、2019年3月期に売上高1,950億円、売上総利益240億円(対売上高比率12.3%)を掲げている。

現在の売上高や利益水準、また東京オリンピックに向けての業界環境を考えるとこの数値目標を達成することはそれほど難しくはないだろう。しかしその数値目標達成以上に、この中期経営計画Phase1の3年間で同社の「質」がどこまで高められるかは大いに注目する必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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