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1959 九電工

東証P
6,369円
前日比
+108
+1.72%
PTS
6,367.5円
14:54 03/29
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.0 1.65 1.73 1.81
時価総額 4,513億円
比較される銘柄
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「JR九州」上場カウントダウン、関連株フィーバーはある? <株探トップ特集>


―LINEに次ぐ大型上場、高いマーケットの注目―

 JR九州 <9142> の上場が間近に迫ってきた(東証は10月25日、福証は26日に上場)。きょう、同株の公開価格が仮条件(2400~2600円)の上限である2600円に決定、今年のIPO(新規公開株)としては、7月のLINE <3938> 次ぐ大型上場となるだけに、市場の注目度は高い。

●上場で自助努力が加速

 JR九州の上場は、1993年のJR東日本 <9020> 、96年のJR西日本 <9021> 、97年のJR東海 <9022> に続くJR4社目となる。上場に際し国内外で1億6000万株の売り出しを実施する。ジョイント・グローバル・コーディネーターは野村証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、JPモルガン証券。いわゆる「3島会社(JR九州、JR北海道、JR四国)」では初の上場だ。

 87年4月に旧国鉄の分割・民営化で発足したJR九州は、北海道、四国と同様に不採算のローカル線を管内に多く抱えていたことから、経営安定を目指し早くから不動産や飲食業など多角化を実施してきた。現在では、本業の運輸サービスに加え、建設、駅ビル・不動産、流通・外食など幅広く手掛けており、収益の安定化に貢献している。

 長年、株式市場を見続けてきた経済ジャーナリストの岡本昌巳氏は、「JR九州の上場に対して懐疑的な見方もあるようだが、上場することにより自助努力を加速させるという効果がある。先に上場したJR3社そしてNTT <9432> 、JT <2914> もしかりだ。かつての“国営企業的体質”から脱皮し、ここから企業の変化が始まった」と言う。

●突発的に物色の可能性も

 もちろん上場は経営に活力を与えるだけではない、九州地方活性化にも貢献しそうだ。関連銘柄は福証単独銘柄に限らず多岐にわたるが、「北陸新幹線が開業した時のような関連銘柄フィーバーになる可能性は少ない」(市場関係者)という指摘がある。確かに新幹線の開業などと比較すると、観光業への影響や、その地域に与える経済効果がすぐに表面化するわけではなく、直接的に目に見えるものではないだけに、株式市場での関連銘柄への波及は大きくないといえるかもしれない。一方で「上場日がさらに近づき、話題性が高まってくれば、突発的に九州関連銘柄が物色されることもあるのでは」(岡本氏)、との見方もある。

 関連銘柄としては、東証1部、福証両市場に上場する九州最大手の電気通信工事業者で西部電気工業 <1937> 、配電事業を中核に商業施設やビルの新築・改装関連工事でも力を発揮する九電工 <1959> がJR九州の上場による同地域の活性化で恩恵を受けそうだ。

●HISは新エンターテインメント「光の王国」

 観光関連では、なんといっても長崎県佐世保市にハウステンボスを展開するエイチ・アイ・エス <9603> に注目が集まる。10月29日(翌年5月7日まで)からは世界最大1300万球のイルミネーションが彩る「光の王国」もスタート。もちろん奇妙なロボット達が出迎える「変なホテル」も大きな魅力で、集客増に期待がかかる。また、福岡拠点の懐石料理を中心とした和食レストラン梅の花 <7604> [東証2]にも妙味がありそう。当然のことながら、日本初のクルーズトレインで大人気となっている豪華寝台列車「ななつ星in九州」を運行するJR九州は、観光関連銘柄の中核だ。

 JR九州の上場により地域経済が刺激されれば、ドラッグストアのコスモス薬品 <3349> 、家電量販店のベスト電器 <8175> 、ディスカウントストアのMrMax <8203> 、老舗百貨店の井筒屋 <8260> など九州を地盤とする小売関連銘柄にもスポットライトが当たる可能性も高い。また、福証に単独上場する銘柄で、棒ラーメンで知られる即席麺のマルタイ <2919> [福証]、保有台数国内首位のタクシー会社でM&Aで全国展開を進める第一交通産業 <9035> [福証]、ファミリーレストランチェーンのジョイフル <9942> [福証]などにも目を配っておきたい。

●大きなポテンシャル

 では、JR九州株そのものについてはどう見たらいいのだろうか。「JR各社にいえることだが、駅前文化を創造し、いわゆる人、モノ、カネ、そして情報の結節点となることができるのが魅力だ。この視点から見ればJR九州は大きな可能性を秘めている。そういった意味でも同社株には中・長期的視点で大きな魅力がある」と前述の岡本氏は語る。JR九州も個人投資家を呼び込もうと懸命だ。9月15日に株主優待制度の導入を発表、1単元(100株)以上所有の株主に対して鉄道株主優待券およびJR九州グループ株主優待券を贈呈するという。

 今年4月に発生した熊本地震による傷が癒えない九州だが、復旧・復興を加速させるためにも経済の進展は欠かせない。JR九州の上場は、大きな期待と責任をもって、いま発車しようとしている。

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