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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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1921 巴コーポレーション

東証S
739円
前日比
-21
-2.76%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.5 0.63 2.17 12.91
時価総額 301億円
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明日の株式相場戦略=閑散相場を駆ける半導体中小型株

 週明け23日の東京株式市場は、クリスマス休暇に伴う海外マネーの離散により、いよいよ閑散相場の様相を呈してきた。日経平均は4円高とわずかにプラス圏で着地したが、TOPIXはマイナス圏。東証1部の値上がり銘柄数586に対し、値下がり数は1486と900銘柄も上回っている。売買代金は1兆5000億円にとどまり、9月3日以来の低水準だった。ちなみに東証1部の騰落レシオはきょう大引け時点で101%まで低下、100%を割り込めば9月9日以来となる。過熱感という点では、かなりクールダウンが利いてきた。

 米国株市場では前週末もNYダウナスダック総合指数、S&P500指数の3点セットで史上最高値を更新した。米中協議は第1弾の合意に至り来年署名される見通しにあるとはいえ一里塚に過ぎず、両国関係の雪解けにはまだかなりの道のりを要するはず。しかし今は半歩の前進であっても“後退”でない限りポジティブに捉える。これは、FRBの短期証券買い入れなど実質量的緩和政策による過剰流動性の影響も大きい。そして、日本もトリクルダウン的に米リスクオン相場の恩恵を受けているが、いかんせん今週は欧米系マネー不参加でその強みも発揮しにくい。

 ただし、個別株でみると全体地合いに左右されず見せ場をつくる銘柄に事欠かない。半導体関連の中小型株を波状的に物色する動きはその典型だろう。半導体製造装置株は、工作機械株と同じDNAを持っていて、「たとえ損益赤字の段階でも底入れが見えたら即刻買い」という暗黙のセオリーが底流している。今はちょうど「今期業績見通しが減益(あるいは赤字)だから買えない」という相場から、「来期回復が鮮明となってから買うのでは遅い」というムードに変わっている。これらの銘柄群は収益の落ち込み方も派手だが、ひとたびベクトルが上向きとなると回復もマッハスピードだ。実態と株価のタイムラグの見極めはそれほど簡単ではないが、基本的に収益変化のボラティリティが高い銘柄ほど株価の値動きも大きい傾向がある。

 そのなか、エノモト<6928>などは、最終利益がゲタを履いているとはいえ急騰後でもPER10倍、PBRについては0.6倍に過ぎず、現時点でも評価不足。これまでは買いの根拠として俎上に載らなかった割安感が、にわかに認知され輝きを放つ形となっている。同様のことが、隠れた5G・半導体関連である高田工業所<1966>にも当てはまる。こちらは12月12日から一直線の上値追いで300円幅の上昇をみせたが、依然として時価PERは6倍、PBRは0.8倍だ。きょうストップ高を演じた竹田印刷<7875>は未だPBRが0.4倍台と解散価値の半値以下である。

 もちろん株式市場は生き物であり、PERやPBRが割安だから買い、割高だから売りという単純な公式で成り立つものではない。“万年割安株”と呼ばれる銘柄群はかなり多いが、投資家に成長期待を抱かせる何かしらのアピールポイントがないと、その場所に埋もれたままのケースが多い。本格的上昇のタイミングを示唆するのは売買高の変化だ。

 半導体関連以外では、安倍政権が打ち出した経済対策で高水準の真水投入と財政投融資が見込まれる建設株周辺も、「国土強靱化」のテーマなどを背景に株価中低位に位置する中小型株に買いが広がる余地が残されているように思える。個別では鉄構建設大手で、体育館や展示施設など無柱の大張間構造建築で実績が高い巴コーポレーション<1921>。400円台後半のもみ合いから上を目指すのかどうか目を配っておきたい。また、首都圏でマンション・戸建て分譲や不動産流動化ビジネスを手掛ける新日本建物<8893>の450円近辺での踊り場形成は買いに分がありそうだ。

 更に、東京五輪マラソンで話題を呼んだ“北海道関連”は投資テーマとして意外に奥が深く長続きする可能性がある。土屋ホールディングス<1840>は今月初旬に瞬間風速で313円まで買われた後調整しているが、ここにきての値運びは上昇第2ラウンド突入を意識させる。

 日程面では、あすは朝方取引開始前に日銀金融政策決定会合の議事要旨(10月30~31日開催分)が開示されるほか、11月の全国スーパー売上高が発表される。また、日韓首脳会談及び日中韓首脳会談が予定されている。海外では、フィリピン、インドネシア、ドイツ、ブラジル市場が休場。米国では5年債の入札があるが、債券、株式市場ともにクリスマス前日で短縮取引となる。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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