貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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1811 錢高組

東証S
3,970円
前日比
+15
+0.38%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.4 0.32 2.02 142
時価総額 292億円
比較される銘柄
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飛島建, 
安藤ハザマ
決算発表予定日

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ソルクシーズ Research Memo(7):ストック型ビジネスの育成・強化を進める


■ソルクシーズ<4284>の今後の見通し

2. 事業別の見通し
事業セグメント別の売上高では、ソフトウェア開発事業が前期比0.2%増の12,985百万円、デジタルサイネージ事業が同28.0%増の415百万円となる見通し。ソフトウェア開発事業の内訳としては、SI/受託開発事業が同5.4%減の11,109百万円、ソリューション事業が同54.2%増の1,876百万円を見込む。

SI/受託開発については、前期に大きく伸びた機器販売が減少することを考慮しても、微減収の見込みとなっている。金融業界向け大型案件の一部がピークアウトすることや、システムエンジニアの増員が進まないなかで今期は収益性を重視した受注活動をより強化していくことが要因となっている。このため、利益ベースでは増益に転じる見通しだ。また、ソリューション事業ではクラウドサービスやIoTソリューションなど成長が見込まれる分野の取り組みを強化していく。具体的には、企業向けクラウドサービスで「Fleekdrive、Fleekform」を、IoTソリューションでは高齢者見守りサービス「いまイルモ」やトンネル工事の際のエネルギー管理ソリューションとなる「TUNNEL EYE」などの顧客開拓に注力していく。

(1) Fleekdrive、Fleekform
企業向けクラウドサービスとなる「Fleekdrive、Fleekform」は、社内ファイルの共有や帳票の編集・出力などをクラウド上で提供するサービスで、2016年12月期の売上高は約2億円、顧客数は大企業を中心に2016年12月期末で160社(前期末比約40社増)となっている。前期は当初200社を目標としていたが、サービスのバージョンアップ時期が2017年にずれ込んだことで計画には届かなかった。ファイル共有サービスでは米Box等と競合するが、帳票編集・出力サービスについては今のところ競合がない状況にある。

2017年12月期は売上高で約3億円、顧客数で200社を目指す。利益面では、収支均衡ラインとなり2018年12月期以降、利益貢献することになる。今期の施策として、サービス機能の追加と合わせて、今春より料金体系の見直しを実施する予定にしている。サービス機能としては、クラウド上でファイルの同時編集ができる機能を追加する。料金体系は従来、従量課金のみであったが今後は、従量課金×ID数にし、利用者数の増加によって売上高も伸びる仕組みに変えていく。また、アジアでのサービス展開も視野に入れた体制整備も進めていく計画となっている。

(2) いまイルモ
IoTソリューションとして、センサーを使った高齢者向け在宅見守りサービスに注力している。現状は愛知県などで実証実験を続けるなど、年間100?200台の販売ペースにとどまっているが、競合品が出始めるなど業界内での認知度も年々上昇している。同社では大手販売代理店を通じて販売を拡大していく戦略だが、現状はまだ代理店の開拓もわずかにとどまっている状況にある。こうしたなかで、今期はロボットと「いまイルモ」を組み合わせたサービスを開始する予定となっている。NECプラットフォームズが開発したコミュニケーションロボット「PaPeRo i(パぺロ アイ)」と同社のシステムを組み合わせて「いまイルモPaPeRo i(仮称)」として3月よりサービス提供していく予定となっている。販売は同社の代理店経由で月額数千円のサービス料金に抑えることで、需要を喚起していきたい考えだ。

なお、中国での展開に関しては、WeChatに対応したシステムが完了し、上海のパートナー企業を通じて販売を開始する計画となっているが、現状はあまり営業活動も進んでいない状況で、しばらくは時間がかかるものと見られる。

(3) TUNNEL EYE
エネルギーマネジメントシステム「TUNNEL EYE」は、2016年に子会社のイー・アイ・ソルが錢高組<1811>と共同開発したIoTソリューションシステムとなる。山岳トンネル工事現場において、各種情報を収集するための機器(人や車両を検知するセンサー、作業環境を測定する濃度計、照明機器や換気ファン、集塵機などの電気機器の稼働状況をモニタリングする電力計)を設置し、インターネット経由でこれらの情報を収集、トンネル外部から安全を確保するための警報通知や、省エネの自動制御等を行うシステムとなる。同システムを導入することによって、工事現場での安全性向上だけでなく、電力コストの低減効果も期待できる。2016年4月より販売活動を開始しているが、現段階までの販売実績はまだない。ただ、販売代理店が2社(空調設備機器メーカー、建設設計会社)ほど決まり、今後の売上貢献が期待される。なお、2016年10月に国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されており、注目度は上がっている。今後、リニア新幹線の開通に向けて山岳トンネル工事が活発化すれば、需要が伸びるものと期待される。

その他、子会社別の動向ではノイマンが前期のリプレース需要の反動により今期は減収減益を見込んでいる。ノイマンが開発した学習塾向けeラーニングシステム「Kojiro(コジロ?)」については、共同開発先の学習塾「まつがく」や一部の大学で利用されているが、その他の塾や直販などへの展開が思うように進んでいないのが現状となっている。このため、今後は同システムを企業が人材採用時に使う適正検査システムに応用展開し、今春以降営業活動を開始する予定となっている。

エクスモーションについては、引き続き自動車業界における自動運転の開発プロジェクトが活発なことから今期も増収が続く見通し。利益面では人材の採用・育成に強化する方針のもと横ばい水準で見込んでいる。自動運転技術に関しては自動車業界だけでなく、建設機械や医療機器などにおいても今後需要が高まってくることが予想されるため、同社では現在25名のコンサルタントを増員していく計画となっている。ただ、高いスキルを要求される分野であり、かつ顧客企業も同様の人材ニーズが強いことから採用が進んでいないのが実情だ。このため、今後は業界や大学生に向けに認知度を高めていく施策が重要になると考えられる。

インターディメンションズについては、前期落ち込んだアミューズメント施設向けのデジタルサイネージや防犯セキュリティシステムの工事などを伸ばしていく。その他の子会社についてはおおむね前期と同水準の業績計画となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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