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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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1811 錢高組

東証S
4,380円
前日比
+90
+2.10%
PTS
4,394.5円
14:15 03/29
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.0 0.36 1.83 96.38
時価総額 322億円
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ソルクシーズ Research Memo(4):16/12期通期は増収、2ケタ最終増益の見通し


■業績動向

(2) 2016年12月期の業績見通し

ソルクシーズ<4284>の2016年12月期の連結業績は、売上高が前期比8.7%増の12,300百万円、営業利益が同6.2%増の630百万円、経常利益が同3.8%増の630百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.7%増の365百万円と期初計画を据え置いている。第3四半期までの進捗率を見ると、売上高は78.5%と若干計画を上回るペースとなっているが、営業利益は61.9%、経常利益は56.6%、親会社株主に帰属する当期純利益は44.1%とやや低めの進捗となっている。ただ、第4四半期については金融業界向けの大型開発案件がピークを迎えるほか、ノイマンの収益も増加する見込みとなっていることから、営業利益に関しては計画達成が可能と弊社では見ている。一方、経常利益に関しては期末の為替レート次第となるが、現状はやや円安方向となっていることから、デリバティブ評価損や為替差損の縮小が見込まれる。

ソフトウェア開発において課題となっている外注先企業の開拓については、1年前に立ち上げたパートナー推進室によって休眠していた取引先の掘り起しが着々と進んでおり、前年同期比で数十社程度増加している。同社では、外注先企業との情報共有を密にできるシステムを構築しており、今後はより効果的に外注先の活用が進むものと期待される。外注比率で見れば現在は50%強と前年から10%弱程度上昇した水準となっているが、過去、IT投資がピークの頃は外注比率が60%超えまで上昇したこともあり、外注先企業の掘り起しが進めば今後も売上高の一段の拡大は可能と見られる。

(3)ストック型ビジネスの取り組み状況

ストック型ビジネスは当初の想定よりも収益化が遅れているが、社内の組織体制を見直すなどして、収益化に向けた取り組みを着々と進めている。このうち、企業向けクラウドサービスとなる「CSO(Cloud Shared Office)」※については、導入社数が前期末の120社から2016年9月末は150社まで増加したが、導入ペースは計画を2割程度下回るなどやや伸び悩んでいる。このため、同社では営業体制の強化を進めていくことで、導入社数を拡大していく方針となっている。具体的には、エリア別、顧客規模別にターゲットを設定して、営業活動を進めていく体制とする。このため、営業スタッフを従来の6名から最低2名増員する。また、シンガポールでも現地の事務代行ソリューション企業と提携して、日系企業の顧客開拓を開始する予定となっている。導入社数目標として、2018年末には250社を達成したい考えで、早期の収益化を目指していく。なお、同社では「CSO」の開発販売を行っているクラウド事業本部に開発機能を有するクラウド開発事業部を設置し、クラウド事業の拡大を目指していく方針となっている。

※クラウドを使ったファイル共有、帳票出力サービス。

また、IoT関連では高齢者向け在宅見守り支援システム「いまイルモ」の販売を強化していく。2016年4月より(一財)トヨタ・モビリティ基金及び名古屋大学未来社会創造機構名古屋COI拠点等が進める共同研究「愛知県豊田市足助地区におけるモビリティ活用型モデルコミュニティの構築」の一環として、足助地区の一人暮らし世帯で活用されている(研究期間3年間)。実験状況としては順調で、評判も良く追加設置のニーズも出ているという。

ただ、ここ最近は見守りシステムで類似品も多く出始めるなど、競争環境が激化している。同社では差別化を図るため、従来5個のセンサー(照度、モーション、微動、温度、湿度センサー)を使っていたものに、新たにドアセンサーを追加するなど、見守りシステムとしての高機能化に向けた開発を進めており、販売を拡大していく考えだ。また、中国での展開として、コミュニケーションツールとしてWeChatに対応したシステムの改良が完了し、政府の許認可が下り次第、上海のパートナー企業を通じて販売を開始する計画となっている。さらに、中国の高齢者ソリューションのモデル地区となっている吉林省でも「いまイルモ」に対する関心が高く、同省内でもパートナー企業を通じて販売していく可能性が出てきている。

同じくIoT関連ではイー・アイ・ソルが銭高組<1811>と共同開発したエネルギーマネジメントシステム「TUNNEL EYE」も注目される。同システムは、山岳トンネル工事現場において各種情報を収集するための機器(人や車両を検知するセンサー、作業環境を測定する濃度計、照明機器や換気ファン、集塵機などの電気機器の稼働状況をモニタリングする電力計)を設置し、インターネット経由でこれらの情報を収集し、トンネル外部から安全を確保するための警報通知や、省エネの自動制御等を行うシステムとなる。トンネル工事だけでなく高層ビル建設での需要も見込んでいる。2016年4月より建設会社向けの販売を開始している。まだ販売実績はないものの販売代理店が2社ほど決まり、今後の売上貢献が期待される。なお、2016年10月に国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されている。

子会社のノイマンが開発した学習塾向けeラーニングシステム「KOJIRO」については、共同開発先の学習塾「まつがく」や一部の大学で利用されているが、その他の塾や直販などへの展開が思うように進んでいないのが現状となっている。このため、今後はコンテンツの見直し等を含め、直販でマネタイズできる事業モデルを再構築していくことを検討している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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