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2016年07月12日20時00分

進むインフラ運営権“民間売却”、「コンセッション元年」の実情 <株探トップ特集>

高松空港も民営化へ(画像提供:国土交通省大阪航空局)

―新たな事業機会獲得へ企業の取り組み活発化―

 社会インフラの運営権を民間に売却する「コンセッション」が本格的に動き始めた。7月1日には東京急行電鉄 <9005> を中心とした企業連合による仙台空港の運営がスタートしたほか、前田建設工業 <1824> を中核としたグループはこのほど愛知県の有料道路8路線の運営権について優先交渉権を獲得した。今後も空港や上下水道などの民営化が予定されており、新たな事業機会の獲得を目指す企業は多い。

●背景には国・自治体の苦しい財政事情

 コンセッションとは、国や地方自治体が公共施設の所有権を維持したまま、運営権だけを民間に売却する仕組み。民間資金を活用した社会資本整備であるPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)の手法のひとつで、運営権を得た企業は利用料金を設定・徴収し、収入を事業運営に充てる。運営権の売却は国や地方の苦しい財政事情があり、民間のノウハウを活用することでサービス向上などにつなげる狙いがある。

●オリックスは4月から関空を運営

 2016年は「コンセッション元年」ともいわれ、まず4月1日にアジアのハブ空港である関西国際空港と大阪国際空港(伊丹)の運営権が、国の100%出資会社である「新関西国際空港」からオリックス <8591> と仏空港運営大手ヴァンシ・エアポートを中核とする新会社「関西エアポート」に移った。事業期間は60年3月末までの44年間にわたり、総合的なマーケティング戦略によって国際競争力を強化し、旅客数を14年実績の3466万人から5751万人まで高める目標を掲げている。

●東急連合による仙台空港運営がスタート

 これに続き、7月1日には仙台空港が民営化され、東急を中核とする企業連合体「仙台国際空港」が滑走路の管理やターミナル運営を担うことになった。運営会社には東急グループが54%、前田建設が30%、豊田通商 <8015> が16%を出資。事業期間は30年間を基本に最長65年間延長することが可能となっている。今後はLCC(格安航空会社)向けの搭乗ゲートや商業エリアなどを整備し、30年後には旅客数を15年度比で8割増の550万人にまで引き上げる計画だ。

●新たに高松空港が民営化へ

 また、国土交通省は8日、高松空港の運営を民間委託する実施方針を公表。17年8月頃に優先交渉権者の選定を行い、18年4月頃に業務を引き渡す。このほかにも、国交省が今年1月に公表した資料によれば、福岡や広島、神戸、静岡、旭川などが民営化に向けて検討を進めており、東急連合やオリックス連合のほか、仙台空港の運営権取得に意欲をみせていた三菱商事 <8058> と楽天 <4755> のグループ、三菱地所 <8802> や日本空港ビルデング <9706> 、大成建設 <1801> 、ANAホールディングス <9202> のグループ、イオンモール <8905> とイオンディライト <9787> 、熊谷組 <1861> のグループなどの動向が注目される。

●道路でもコンセッション導入

 他のインフラでは、道路事業でも民間に委託する動きが出ている。愛知県道路公社は6月24日、10月頃の事業開始を予定する有料道路8路線のコンセッションで、前田建設を中核とするグループが優先交渉権を獲得したことを明らかにした。このグループには大和ハウス工業 <1925> や森トラスト(東京都港区)などが参画しており、「道路の維持・管理にITなどを活用することで、業務水準の維持向上と保守費用の低減を図る」(前田建設の広報グループ)としている。前田建設のコンセッション事業は2件目であり、「国内建設市場が不透明感を増すなか“脱請負”事業のひとつとしてコンセッション事業に取り組んでいる」(同)とし、今後も注力していく構えだ。なお、この愛知県有料道路のコンセッションでは、オリックスと大林組 <1802> の企業連合が次点交渉権者となっている。

●関心集まる水道事業のコンセッション

 道路は生活に必要不可欠であるため安定して稼ぎやすいとされるが、今後関心を集めるのは道路よりもさらに安定した収益が見込める上下水道だ。現在、浜松市が下水道事業について18年4月からのコンセッション導入を目指しているほか、大阪市や広島県なども検討を進めている。

 こうした動きは水道事業の官民連携で実績のある企業にとって追い風となりそうで、16年1月に埼玉県戸田市から上下水道の包括委託業務を受託した日立製作所 <6501> 、15年12月に熊本県荒尾市と水道業務委託契約を結んだメタウォーター <9551> 、14年4月から神奈川県箱根地区の水道事業を運営しているジェイ エフ イー ホールディングス <5411> などが有望視される。また、NJS <2325> 、住友重機械工業 <6302> 、クボタ <6326> 、月島機械 <6332> 、水道機工 <6403> [JQ]、前沢工業 <6489> 、東芝 <6502> 、明電舎 <6508> 、長大 <9624> [東証2]のほか、16年2月に英国の水事業会社に出資した三菱商事の活躍も期待される。


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