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北恵 Research Memo(3):独立系では最大級の住宅用建材や住設機器の専門商社


■事業概要

1. 仕入先と販売先
北恵<9872>は住宅用建材や住設機器の専門商社で、独立系では最大級である。仕入先はLIXILグループ<5938>、ケイミュー(株)、クリナップ<7955>、ニチハ<7943>等の大手メーカーを含めて約2,000社に達するが、特定のメーカーに偏っていることはない。基本的に顧客から注文が入ってからメーカーへ発注し、商品はメーカーから建築現場へ直送される仕組みとなっているため自社ではほとんど在庫を保有しない。仕入先別ルート(2018年11月期)は、国内メーカーからが79.1%、商社からが20.6%、海外メーカーからが0.3%となっている。

一方で販売先別(2018年11月期)は、同社の営業拠点を経由して全国の工務店や住宅会社へ販売する直販が70.6%、子会社の福住(株)及び各地の木材店・建材店を経由するルート販売が29.4%となっている。

2. 商品別売上高
商品別の売上高(2018年11月期)は、木質建材が6,770百万円(構成比11.9%)、非木質建材が3,736百万円(同6.6%)、合板が2,428百万円(同4.3%)、木材製品が2,440百万円(同4.3%)、住宅設備機器が13,779百万円(同24.2%)、施工付販売が23,426百万円(同41.1%)、その他商品が4,422百万円(同7.6%)となっている。また、そのうち同社のオリジナル商品の売上高は1,972百万円(同3.5%)となっている。各商品別の詳細内容は以下のようである。

木質建材:ユニットドア、クローゼット、フロア、収納ユニット、階段セット
非木質建材:石膏ボード、断熱材、屋根材、不燃ボード、サイディング
合板:ラワン合板、針葉樹合板
木材製品:木材構造物、木材造作材、フローリング
住宅設備機器:システムキッチン、ユニットバス、洗面ユニット、トイレ、空調機器、
燃焼機器、太陽光発電パネル
施工付販売:外壁工事、住設工事、屋根工事、構造躯体工事、内装工事、サッシ工事、
太陽光発電システム
その他:サッシ、エクステリア、化成品、建築金物、建築道具
オリジナル商品:フローリング、輻射断熱材、換気システム、システム収納など

3. 地域別売上高
地域別の売上高(2018年11月期)は、近畿が19,010百万円(構成比33.3%)、九州・中四国が9,259百万円(同16.2%)、中部が5,419百万円(同9.5%)、東日本が23,314百万円(同41.0%)となっている。東日本のうち19,590百万円(同34.4%)が首都圏となっている。全国に営業所を有していることもあり地域的な偏りはない。

代表的な販売先は、飯田グループホールディングス<3291>、ヒノキヤグループ<1413>、タマホーム<1419>などのハウスメーカーであるが、大和ハウス工業<1925>、積水ハウス<1928>、ミサワホーム<1722>等のプレハブメーカーとの取引は少ない。その他は地方の地場の住宅ハウスメーカーや工務店等である。

4. 競合、特色、強み
同社の事業は住宅用建材の仕入販売であるため、販売動向は全体の住宅着工戸数に左右されるのは避けられない。しかし同社は2,000社以上の仕入先、販売先を抱えていることから、特定の取引先の影響を受けることは少ない。言い換えれば、資金回収や商品納入のリスクが分散されており、これは同社の強みの1つと言える。

また施工付販売を行っていることも同社の特色だろう。既に15年前から施工付販売を行っているが、その時からインターネットの時代に入れば、単に商品を右から左へ流す事業は伸び悩むと予想していた。そのため同社では、少しでも付加価値を付けた販売が必要であると考え、施工付販売を開始した。

同社の施工付販売の主なものは外壁工事であり、ニチハ、LIXIL、ケイミュー等のメーカーから資材を仕入れ、同社が施工まで行うもの。特色(強み)としては、同社独自の施工基準を設けており、「K!PHOTO」による施工管理や施工確認書による品質管理を徹底していること。さらに同社独自の「外壁工事瑕疵10年保証制度」を付けており、これにより工務店やハウスビルダーの瑕疵担保責任(10年)をバックアップしている。このような同社独自の各種制度などの成果もあり、2018年11月期(2017年12月-2018年11月)では10,323棟(月平均861棟)の外壁工事を受注した。

住宅用建材を取り扱う商社・卸などの競合企業は無数にあるが、大手ではジャパン建材(株)(JKホールディングス<9896>のグループ会社)、ジューテックホールディングス<3157>、OCHIホールディングス<3166>などが主な競合企業である。これらの大手競合企業とは取扱商品はほとんど同じであり、特に大きな違いはない。ただし、販売においては、これらの競合企業は比較的ルート(代理店)販売が多く、同社のほうが直接販売の比率が高いのが特色であり強みでもある。直販比率が高いと販売費用はかかるが、一方でユーザー(工務店、住宅メーカー等)やエンドユーザー(施主)からの生の声(意見、要望等)を聞くことが可能であり、これがオリジナル商品の開発や提案型営業に役立っているようだ。この直販比率は15年ほど前にはほとんどゼロであったが現在では既述のように70.6%に達しており、この直販の拡大がこの間の同社の成長を支えてきたとも言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《MH》

 提供:フィスコ

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