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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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1430 1stコーポ

東証S
865円
前日比
+8
+0.93%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.4 1.23 3.58 34.40
時価総額 116億円
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1stコーポ Research Memo(3):造注方式により収益力がアップ


■事業内容と沿革

ファーストコーポレーション<1430>が急成長を遂げた背景に、「造注方式」と呼ぶ事業モデルがある。これは他社に先駆けて、マンション用地を仕入れ、企画、設計を行い事業主に提案、特命で工事を受注して施工し引渡す方式だ。各事業主のニーズに合った事業開発を提案する中で、精度の高い用地情報を幅広く収集して、用地情報の確保から企画提案までを最短10日間というスピードで実現している。

造注方式の具体的な流れは、まず不動産会社や金融機関、土地所有者など、多岐にわたる独自のネットワークを駆使してマンション用地情報の収集を行い、次に、立地特性を最大限に生かせるよう、周辺環境、マーケティング、権利関係、各種法規制等の調査を実施し、クオリティの高いプランを立案する。そして、効率的なプランをベースに適正かつ有効的な建築費の見積りを行い、オリジナルの各種標準仕様を選定する。そうしたプランから事業主に対し、土地代、建築費、設計料等の諸経費をもとに事業収支を作成し、より緻密で正確な事業計画の提案を行う。その上で、事業主の要望を最大限に考慮した建築費の見積りを提示し、工事を特命で受注することになる。

造注方式は、同社が土地を押さえることによって主体的に企画提案を行うことができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなる。一般的に、建設会社はこうした特命工事の比重をいかに高めるかが、収益向上につながるポイントになるが、同社の特命比率は現状で100%だ。これによって、事業運営の効率化、安定した利益確保が可能となり、創業来の急成長に結び付いてきた。

2005年の耐震強度構造計算書偽装事件に続き、2015年のマンションデータ偽造問題など、マンションに不信感を抱かせる事件が生じ、マンションに対する「安全・安心・堅実」が強く求められるようになっている。これらの問題は、消費者にマンション購入を躊躇させることにつながり、実際、直近でも一時的に業界全体で販売が落ち込んだ。そうしたなかにあっても、同社は着実に受注を伸ばしたが、それは、品質にこだわり、良質で均一な品質維持のための取り組みを行ってきたことと無縁ではない。

同社では、社内で独立した専門部署である安全品質管理室による安全巡回・品質管理に加えて、第三者機関による検査を行うことでダブルチェック体制を整えるなど、安全と品質に対して徹底した姿勢で厳格な管理を実施している。安全品質管理室は社長直轄の独立した部門であり、社員教育や健康管理も含めて、事業の安全を厳しく管理している。

委託契約した第三者機関は、杭や配筋の検査、生コン工場の品質管理体制の確認等、厳しい施工監査を行う。杭の施工では、講習を受けた社員が立ち会い、支持層への到達を確認し、一部の工法を除き支持層のサンプルを必ず全数採取・保管し、竣工時に事業主へ引渡す。また、安全品質管理室は、着工後すぐに建築部と連携し、施工検討会への参画に始まり、各作業所を毎月1回以上巡回して技術支援を行い、安全及び品質管理が正しく行われていることを確認・記録しているほか、業務基準となる「建築施工マニュアル」についても常に内容を検討・改善し、毎年改訂するなど、「安全・安心・堅実」への強い取り組みが、事業主からの高い信頼につながっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)

《HN》

 提供:フィスコ

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