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1419 タマホーム

東証P
4,295円
前日比
-55
-1.26%
PTS
4,293円
11:25 04/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.5 4.10 4.31 0.98
時価総額 1,265億円
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タマホーム Research Memo(5):注文住宅は地域限定商品が好調、リフォーム事業も営業活動再開で急回復


■タマホーム<1419>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) 住宅事業
住宅事業の売上高は前期比12.9%増の131,900百万円、営業利益は同230.8%増の2,437百万円となった。売上高の内訳を見ると、注文住宅事業が前期比10.4%増の126,423百万円、リフォーム事業が同230.5%増の4,548百万円、その他が同1.0%増の1,154百万円となった。

注文住宅事業の販売棟数は前期比13.1%増の7,275棟と3期ぶりに増加に転じた。このうち、既存ライン商品は地域限定商品の拡大により前期比10.2%増の6,852棟に、また、ベーシックライン商品は同94%増の423棟と急拡大した。ベーシックライン商品の構成比が上昇したものの、既存ライン商品について一部値上げを実施したことや、オプション工事の増加などもあって、平均販売単価は同2.4%減の1,737万円と若干の下落にとどまった。

地域限定商品については地域ごとにシェアを拡大していくための戦略として、2016年7月の九州エリアを皮切りに11月に中国・東北・関西エリア、2017年2月に首都圏・北陸エリア、6月に東海エリアで順次販売を開始したが、開始初年度で全販売棟数の3割弱を占める主力商品に育つなど収益回復の原動力となった。各地域における顧客ニーズや競合他社商品の情報を各支店から本部に吸い上げ、機能・品質や価格面で優位性を持たせた商品を開発できたことが販売好調の要因になったと見られる。注文住宅の受注についても前期比16.4%増の8,877棟、受注額で同11.9%増の149,659百万円と2ケタ伸長となり、施工能力が追い付かず受注残が積み上がる勢いとなっている。

モデルハウスやショールーム等の店舗については、移転による出店3店舗とリニューアル42店舗を実施し、総店舗数は前期末比1店舗減の238店舗となった。今後も店舗総数は現状水準を維持しつつ、各店舗の収益性を見ながらスクラップ&ビルドを推進していく方針となっている。

リフォーム事業については、同社が販売してきた住宅が対象の大半を占めており、入居後10年を経た物件を中心に営業活動に取り組んだ。2015年9月より営業活動を再開し、その効果が顕在化した格好だ。受注単価は平均で100~200万円となるため、リフォーム件数としては3~4千戸程度になったと見られる。同社が販売した築10年以上の住宅は累計で1万棟を超えていること、直近5年間の販売戸数は年平均で7~8千棟で推移していることなどを考えると、売上成長余地は依然大きいと言える。リフォーム事業の収益性は案件によってばらつきがあるものの、注文住宅事業と比較すると売上総利益率で10%程度高く、利益率の向上に寄与している。

なお、四半期ベースの営業利益推移を見ると、第4四半期は売上高が前年同期比で13.3%増と2ケタ増収となったのにも関わらず営業利益は同2.0%減と若干の減益となっている。これは注文住宅事業の販売構成比が変化し、平均販売単価が前年同期比2.6%減の1,725万円に下落したことに加えて、4月の新卒社員数が前年比200名増の300名となり、人件費や研修費等が増加したことが主因となっている。

(2) 不動産事業
不動産事業の売上高は前期比28.4%増の17,666百万円、営業利益は同64.1%増の1,146百万円となった。売上高の内訳を見ると、戸建分譲は大規模戸建分譲の「タマスマートタウン茨木(全583区画)」の第2期(累計330区画)完売と第2期においても順調に販売が進んだこと、その他分譲住宅の販売寄与などもあり販売戸数で前期比0.3%減の346戸、売上高で同5.8%増の10,914百万円となった。一方、マンション販売については「アンシア市川ザ・レジデンス(全22戸)」が完売したほか、「グレンドール二子玉川(全23戸)」の販売を2017年2月より開始したことにより、売上高で同142.4%増の3,233百万円と2期前の水準まで回復した。また、サブリース事業については都市部でのオフィスビル案件の獲得を積極的に進めたことにより、同70.3%増の3,354百万円と高成長が続いた。営業利益については、マンション販売やサブリース事業の増収効果によって、2期ぶりの増益に転じている。

(3) 金融事業
金融事業の売上高は前期比7.3%減の1,060百万円、営業利益は同27.2%減の387百万円となった。同事業は2016年10月以降、火災保険商品で契約期間10年超の長期商品の販売が停止したことによる平均契約単価の低下が減収減益要因となった。ただ、この影響は上期で一巡しており、半期ベースで見れば下期は売上高で前年同期比24.1%増の612百万円、営業利益で同41.9%増の254百万円と増収増益に転じている。住宅販売棟数の増加や火災保険付保率の上昇に加えて、フラット35の利用促進による手数料収入増やファイナンシャルプランナーによる生命保険販売契約件数の増加が収益回復要因となっている。

(4) エネルギー事業
エネルギー事業の売上高は前期比6.0%増の901百万円、営業利益は同0.7%増の328百万円となった。好天が続いたことで太陽光発電施設の発電量が増加し、増収増益要因となった。

(5) その他事業
その他事業の売上高は前期比5.9%減の5,472百万円、営業損失は475百万円(前期は525百万円の営業損失)となった。売上高は注文住宅事業における販売棟数の増加に伴い、子会社で展開する家具・インテリア販売など住宅周辺事業が好調に推移したものの、前期に計上した米子会社の土地売却収入(数億円)が無くなった影響により減収となった。利益面では、住宅周辺事業の好調とグループ会社における経費削減に取り組んだことにより若干ながら損失額が縮小した。

なお、新規事業となるホテル関連事業は第1号店となる「タマディアホテル羽田」(2016年3月開業、客室数160室、宿泊料7,500~10,500円)が、インバウンド需要の効果もあって稼働率90%超と順調に推移し、売上高で5億円程度、利益も若干の黒字を計上したと見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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