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1301 極洋

東証P
3,540円
前日比
-45
-1.26%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.6 0.79 2.82 28.14
時価総額 428億円
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決算発表予定日

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極洋 Research Memo(5):2018年3月期第2四半期は全セグメントが増益、全体で91.8%増の営業増益


■業績動向

1. 2018年3月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
極洋<1301>の2018年3月期第2四半期は売上高で120,458百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益で2,246百万円(同91.8%増)、経常利益で2,396百万円(同138.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益で1,633百万円(同37.6%増)と大幅増益を達成した。すべての部門が増益となったが、水産商事、冷凍食品、鰹・鮪が金額的に大きく増益に寄与した。

(2) セグメント別状況
a) 水産商事事業
水産商事事業の業績は、セグメント別売上高で61,325百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益で1,546百万円(同30.7%増)と増収・増益となった。鮭鱒、カニ、エビ、北洋魚など主要魚種の価格が比較的高値で推移し、さらに販売も順調に推移した。加えて定塩サケ製品などの付加価値製品も好調に推移し、米国向けを中心に海外での水産物販売を推進したことも増収・増益に寄与した。

b) 冷凍食品事業
冷凍食品事業の業績は、セグメント別売上高で34,334百万円(同6.1%増)、営業利益で554百万円(同235.2%増)と大幅増益を確保した。

主力である大手寿司チェーン向けの寿司種商品は順調に拡大している。さらに塩釜や愛媛の自社工場での生産品が順調に伸びていることが利益率改善につながっている。ちなみに、塩釜工場製品の売上(出荷高)は、今期は7,000トン(前期実績3,600トン)が見込まれている。

c) 常温食品事業
常温食品事業の業績は、セグメント別売上高で9,455百万円(同2.6%増)、営業利益で220百万円(同13.0%増)と増収・増益を確保した。高値の魚価による厳しい環境が続くなかで、サバやサンマなどの水産缶詰の拡販に注力した。原料価格高騰が続くイカ加工品については、価格改訂や規格変更を行うことで利益を確保した。

d) 物流サービス事業
物流サービス事業の業績は、セグメント別売上高で510百万円(同54.1%減)、営業利益で117百万円(同594.5%増)と大幅な減収ながら増益となった。

前年の上半期中に冷蔵運搬船事業から撤退したことにより売上高は大幅減となったが、冷蔵倉庫事業で入庫貨物の確保を図り営業力を強化したことに加え、2014年末に稼動を開始した城南島事業所がその後も順調に稼動していることなどから、セグメント利益は大きく改善した。内容的には順調な決算だったと言える。

e) 鰹・鮪事業
鰹・鮪事業の業績は、セグメント別売上高で14,648百万円(同10.0%増)、営業利益で581百万円(同479.1%増)と増収・増益となった。

海外まき網事業では、水揚重量は前年同期比で減少したが、魚価(平均単価)が約50円/Kgほど上昇し引き続き高値で推移したことから、水揚金額は前年同期比で増加し収支が大きく改善した。

養殖事業は全体ではまだ赤字であるが、出荷量は着実に増加している。そしていよいよ、2017年11月から完全養殖クロマグロの出荷が開始された。このクロマグロは、「本鮪の極 つなぐ<TUNAGU>」と名付けられ差別化を図っていく方針だ。2018年3月期の出荷高は60トン、来期(2019年3月期)には200トンを目指している。現状では、まだまだ改善すべき点が多いが、これを改良していくことで、歩留まり、採算も向上の余地があり、今後の展開が楽しみである。

加工販売事業では、外食・量販店向けにカツオタタキやネギトロ製品の販売が順調に伸びている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《TN》

 提供:フィスコ

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