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1301 極洋

東証P
3,600円
前日比
-80
-2.17%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
7.8 0.81 2.78 28.14
時価総額 435億円
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決算発表予定日

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極洋 Research Memo(1):大手水産会社の一角。中期経営計画目標の営業利益50億円(18/3期)が射程圏


■要約

極洋<1301>は、昭和12年(1937年)に設立された水産物を中心とした総合食品会社である。米国やヨーロッパ、東南アジア等にも拠点を有しており、現在では水産商事、冷凍食品、常温食品、物流サービス及び鰹・鮪の5部門で事業を展開している。強みは水産会社として永年培ってきた原料の調達から加工、販売までの一貫したバリューチェーン及び水産食品のプロフェッショナルとしての力にある。

1. 2017年3月期は53.0%の営業増益、主力の水産商事部門、鰹・鮪部門が魚価安定もあって大幅増益
2017年3月期は売上高で236,561百万円(前期比4.4%増)、営業利益で3,723百万円(同53.0%増)、経常利益で3,709百万円(同31.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,422百万円(同34.6%増)と大幅増益を達成した。原材料価格の高騰に苦しんだ常温食品部門は減益となったが、主力の水産商事部門では、数量が増加したことに加え魚価も堅調に推移したことから大幅増益を達成、鰹・鮪部門も魚価の安定、加工品の拡販によって増益となった。この結果、全体では前期比大幅増益となり、好調な決算だったと言える。

2. 進行中の2018年3月期も増益予想。市況次第では、更なる上乗せも可能
2018年3月期は、売上高で250,000百万円(前期比5.7%増)、営業利益で4,000百万円(同7.4%増)、経常利益で4,000百万円(同7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で2,700百万円(同11.4%増)が予想されている。同社の業績は魚価という市況に左右されてしまう傾向が強いが、特段の大きな価格変動がなければ十分に達成可能な予想だろう。むしろ、現在進めている食品メーカーとしての一貫生産体制の確立、加工品の拡販や市場ニーズに合った商品の開発等を着実に実行していけば、更なる利益の上積みも可能と思われる。

3. 中期経営計画の定量的目標は2018年3月期に営業利益50億円だが、まだ十分に射程圏
同社は2018年3月期を最終年度とする中期経営計画「バリューアップ・キョクヨー2018」を掲げており、この計画の数値目標は売上高で260,000百万円、営業利益で5,000百万円、ROEで10%超となっている。現時点での2018年3月期の業績予想は上記のようであり、この中期経営計画目標には若干届いていないが、社内的にはこの中期経営計画目標(営業利益5,000百万円)はまだ維持されている。実際の利益水準は水産市況の変動による影響を受けるが、この目標が達成できるか、注目する必要はあるだろう。また中期経営計画においては、定量的な数値目標の達成も重要だが、定性的に同社の体質がどのように変わっていくかにも注目しておきたい。

4. 完全養殖クロマグロが2018年3月期中には初出荷の予定
同社では、2007年からクロマグロの養殖事業を手掛けてきた。天然の稚魚を採取して生簀に入れ、成魚に育てる事業では既に出荷が行われているが、人工の親魚から魚卵を採取してふ化させ、成魚まで育成する完全養殖には至っていなかった。しかし、いよいよこのクロマグロの完全養殖事業が最終局面(完全養殖成魚の初出荷)を迎えつつあり、現在の予定では、今年末から来年初には完全養殖クロマグロが初出荷の見込みであり、今後の動向が注目される。

■Key Points
・歴史ある水産会社。現在は5部門で事業展開し、海外展開も活発化
・中期経営計画の目標(2018年3月期に営業利益50億円)は射程圏
・完全養殖クロマグロが2018年3月期中には初出荷の予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《NB》

 提供:フィスコ

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