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富田隆弥の【CHART CLUB】 「強い上昇だが、無視できぬ過熱」


◆テクニカル指標が過熱を帯びる中、日経平均株価は4日現在、ザラバ高値を2万2907円に伸ばし、コロナショック前の水準(2月21日終値2万3386円)をほぼ取り戻すところにきた。この堅調な上昇には、(1)膨大な金融・財政支援、(2)業績、経済の4-6月期大底観測、(3)売り方の買い戻し、(4)緊急事態宣言の解除で経済活動が再開し心理的に投資家がリスクオンに傾いた、などの要因が挙げられる。特に「最大の材料は需給」と言われることから、(1)と(3)の需給要因は大きなポイントになっていよう。

日経平均株価の日足チャートをみると、5月下旬に2万500円処にあった75日移動平均線を抜くと、それまでのジリ高歩調から上昇ピッチを加速させて一気に2万3000円に迫ってきた。戻りの正念場と思われた75日移動平均線を突破したことで、売り方が持ち切れずに買い戻しに動き出したことの表れと言える。

◆裁定売り残(裁定取引に伴う現物株残高/株数ベース)は5月25日時点で11億2708万株と過去最高水準を更新していたが、翌26日から減少に転じ、6月2日時点では9億3358万株に減少している。また、外国人投資家(現物+先物)が5月第3週から買い越しに転じており、これらの動きは日足チャートの上昇加速のタイミングと合致する。

◆それだけ、いま日本株の需給環境は「買い方有利」にあると言える。日経平均が25日移動平均線(4日現在2万768円)を維持しているうちは、上昇基調で買い方有利の展開が続くことから年初来高値(1月17日2万4115円)奪回を目指してもおかしくない。

◆とはいえ、サイコロジカル75%(6月1日)や騰落レシオ25日線150%(2日)、RCI(順位相関指数)、RSI(相対力指数)が高値圏に張りつくなどテクニカル指標の過熱は無視できない。「テクニカルが過熱でも株価はまだ上がる」との市場関係者のコメントをよく目にするが、「高値注視信号」を無視して良いと言う訳ではない。

◆今回のように過熱信号が灯る中を株価が上昇したケースは過去に幾度もあるが、遠からずピークアウト(頭打ち)局面を迎えたことも事実であり、その点を頭に入れておくことも必要だ。

◆「山高ければ谷深し」「風雨強まる高所」などの相場格言もある。5日夜に米雇用統計の発表があり、10日にFOMC(米連邦公開市場委員会、結果発表は11日3時)、12日にメジャーSQ(先物・オプション清算日)と注目イベントが続き、株価は乱高下することも想定される。チャートでは上昇基調を維持するポイントとして25日移動平均線が重要だが、短期的には日足に引く下値抵抗線(4日現在2万2500円近辺)もポイントになろう。

(6月4日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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