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明日の株式相場戦略=テレワーク関連の裏銘柄に出番か

 きょう(8日)の東京株式市場では日経平均株価が大幅高で4日続伸、400円強の上昇で1万9000円台を大きく回復してきた。新型コロナウイルスへの警戒感が高まるなかにあって、それだけに全体相場の強さが際立つ。確かに日経平均は今週に入ってから怒涛の戻り足を見せつけているが、その背景に確たる材料はない。安倍首相が満を持して「緊急事態宣言」を発令したことで目先の悪材料出尽くし、引き続き大規模経済対策への期待感、あるいは米国やイタリアで新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化したから、というような理由が挙げられていたが、それを言う市場関係者も本音の部分では首をかしげている印象を受ける。

 海外短期筋のAIアルゴリズム売買、人間の血の通わないところでの高速取引が無人のエレベーターを上下動させている構図に変化はない。依然として“一歩先が見えない”相場だが、中小型株にはそれなりの人気化セオリーが存在しており、それを読み解くことが勝利につながる。ただし基本的にキャッシュポジションは潤沢に、参戦する場合もロスカットラインを決め、リスクを限定化させたデイトレで相場と戯れるくらいの対応が望ましいと考える。人間の感性は時にAIの演算能力をも凌駕する。いかなる推論を積み重ねても辿り着けぬ領域に、直観の一撃をもって鮮やかに到達することができる。AIにはなく人間にはある特権といえるが、今の個別株の値運びはこの感性を研ぎ澄まさなければ、到底太刀打ちできない難しさがある。

 現象面から紐解けば、個別では農業や食糧関連株に物色の矛先が向いているようだ。主要食品価格の上昇が背景にあるにせよ、明確な買いの根拠に乏しい銘柄が多いようにも見える。しかし、そもそも最近の相場は個別株も全体相場も合理に背を向けた動きのオンパレードである。思惑が流れを生み、短期回転を狙うのであればその流れに乗るかどうかの決断を迫られる。そういう地合いだ。目先の流れに乗る銘柄としてマークしたいのは低位に位置するショクブン<9969>や石井食品<2894>など。前者は食材宅配の大手でネット注文システムの充実を図り需要開拓を進めている。また、後者は食肉加工の老舗で“石井のハンバーグ”は有名だが、やはり通販チャネルの深耕などに取り組む構え。いずれも思惑買いを呼び込みやすい株価ポジションにいる。

 このほか、新型コロナの影響でクローズアップされた遠隔医療AI診断電子カルテ といった医療ICT関連株にも上値期待が膨らむ。5G時代の到来が同分野のサービス付加価値化を後押ししている。医療画像システムを主力とするイメージワン<2667>や中規模病院向けを主軸に電子カルテシステムを展開するCEホールディングス<4320>、ITソリューション軸にM&A戦略に長じ、とりわけ医療系システム分野に傾注するアクモス<6888>などの足もとの動きはチェックしておきたい。

 そして、今回のテレワーク関連人気の裏銘柄として、新たなテーマ性を携え再浮上しそうなのがサイバー防衛関連だ。テレワークが普及すれば企業活動の合理化につながるが、当然ながら負の側面として情報漏洩のリスクも無視できないものとなる。中段もみ合いを上に放れてきたセキュアヴェイル<3042>や、急反騰後に高値圏で売り物を吸収し煮詰まってきたソリトンシステムズ<3040>などを中心に目を配っておく場面ではないか。セキュアヴェは滞留出来高の多い800円台前半までは比較的足が軽い。また、ソリトンはテレワーク分野での実績から既に株価水準を大きく切り上げているが、セキュリティー対策ソフトと認証システム開発で業界を先駆、内閣サイバーセキュリティセンターの「サイバーセキュリティ協議会」の構成メンバーとしての実績もあるだけに更なる上値が視野に入りそうだ。

 日程面では、あすは3月の工作機械受注、3月の消費動向調査、3月のオフィス空室率など。また、テレビ会議方式で日銀の支店長会議が行われ、黒田日銀総裁の挨拶が予定されている。海外では、4月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査)、3月の米生産者物価など。米30年国債の入札も予定される。このほか、韓国中銀が政策金利を発表する。
(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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