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明日の株式相場戦略=復活の鐘、個人投資家マネーの行く先

 きょう(26日)の東京株式市場では日経平均が一気に上げ足を加速させる格好となった。2万1000円台のフシを躊躇なく突き抜け、引け際には600円高に迫るかという勢いで2万1300円台まで舞い上がる場面があった。売買代金は2兆5000億円台まで膨らんだものの、2月下旬から3月下旬にかけての3兆~4兆円台が当たり前だった時を思えば静かなもの。あの時の波乱相場の裏返しで怒涛の買いが押し寄せているという印象ではない。枯れた大地の砂塵をつむじ風がさらうような、まさに舞い上がるという形容がピッタリくるような上昇劇だ。

 東京市場は売り方が作る相場が続いていたが、それが一段と先鋭化してきた。個別銘柄に目を向ければ所々で踏み上げ(損失覚悟の買い戻しによる上昇)の色彩が強い。少し前にも取り上げたオリエンタルランド<4661>の上昇波動が典型だが、ファンダメンタルズ面のアプローチから上値を買うのは無謀と思える重量級銘柄の値運びがなぜか軽い。きょうの業種騰落率で33業種中、断トツの値上がりを示したのは空運セクターだ。空運といえば事実上、JAL<9201>とANAホールディングス<9202>2銘柄の株価を反映したものだが、前者は一時11%近い急騰、後者も8%近く水準を切り上げる場面があった。新型コロナウイルスの感染拡大による航空会社への収益デメリットの大きさは、タイ航空の破綻を引き合いに出すまでもなくマーケットで強く認知されている。貸株調達による空売りがかなり溜まっていたと思われるが、ここに至ってJAL、ANAともに売り方が耐え切れずにショートポジションの解消に動いた。

 この動きは航空会社ほどではないが電鉄会社にも同様の背景が当てはまる。JR東日本<9020>、JR西日本<9021>、JR東海<9022>いずれも大幅高に買われた。特にJR西は貸株調達の空売りが積み上がっていたとみられ、一時8.8%高と値を飛ばす場面があった。外食産業もしかり。例えば『いきなりステーキ』のペッパーフードサービス<3053>は小型株ということもあって、こちらはストップ高で大引けに買い物を残す人気となった。

 マーケットを見渡せばあちらこちらで炎が上がっている。いうなれば買い戻しスパーク相場だ。この地合いで大きく恩恵を享受しているのが個人投資家である。個人投資家の売買シェアは足もと2割を超えている。海外投資家の問答無用の投げ売りの受け皿となったのが日銀のETF買いと個人の買いであり、結果的に大戦果を上げた。手慣れた短期売買を繰り返しながら、この上昇相場に乗ってきたベテラン投資家も多い一方、「新たに口座を開設してNISAで参入した株式投資1年生のような若年投資家も含まれている」(国内中堅証券)という。そしてビギナーズラックの典型はNISA口座によるアンジェス<4563>買いで、「新設NISAで買われた銘柄で最も多かったのがアンジェス、2番目が日経レバ」(ネット証券マーケットアナリスト)であるという。

 きょうは先物主導のインデックス買いでファーストリテイリング<9983>を筆頭に時価総額上位の大型株に資金が集まる地合いだった。中小型株は小休止という局面だったが、現在の踏み上げ相場が一巡すれば、また足の軽い銘柄に投資マネーが還流してくる。そうしたなか、最近は株価3ケタ台の銘柄が相対的に注目されやすい感触がある。選別の条件としてアフターコロナの世界で追い風を感じられるビジネスモデルがポイントなる。株価300円未満ではSNS活用のマーケティング支援事業を展開するアライドアーキテクツ<6081>や、通販支援ビジネスを手掛け21年2月期経常利益が前期比2.8倍と急拡大予想にあるトライステージ<2178>に着目してみたい。

 中位に位置する銘柄ではドローン関連のアジア航測<9233>や、人工知能(AI)関連で業績上方修正を受け上げ足を強めたユビキタスAIコーポレーション<3858>の押し目買いに妙味がありそうだ。また、株価は4ケタ台だが、クラウドを活用した顧客情報管理プラットフォームを展開するパイプドHD<3919>。同社はファンドを通じたベンチャー投資事業にも思惑があり、目先動意含みとなっている。

 日程面では、あすは2020年度第2次補正予算案の閣議決定が行われる見通し。このほか6カ月物国庫短期証券の入札など。海外では4月の中国工業企業利益が発表される。このほか米国では5年国債の入札が予定されている。
(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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