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明日の株式相場戦略=波乱は仕込み好機、有望株の赤札市始まる

 きょう(18日)の東京株式市場はリスク回避の売り圧力が急速に高まり、日経平均株価は一時400円近い下げをみせた。日銀のETF買いなどを背景に日経平均寄与度の高い値がさの品薄株が指数を支えていたが、それがここにきてアダ花となっている。前日の当欄で日経平均はいったん下値に突っ込んだ方がむしろ健全としたが、そのプロセスに入ってきた印象も受ける。既に個別株ベースではかなりディスカウントが利いているが、落ちてきたナイフをつかむことのないように注意しなければならない。本腰を入れた買い出動にはまだ早く、戻りを狙うにはもう少し引きつけてからということになる。もちろん短期リバウンドを狙うのは作戦として十分に可能だが、待機資金を十分に確保したうえでの機動的な対応が求められる。

 日経平均はやや歪んだ指数と化しており、2万3000円台前半は投資家の体感温度とはかなり差が生じていると思われる。前週末時点でNT倍率は1992年4月以来約28年ぶりの高水準、つまり日経平均が買われ過ぎ状態にあったわけだが、市場関係者の間では「目先的に(日経平均の下落過程で)その修正局面にステージが移った」(国内証券マーケットアナリスト)という見解も示されている。

 新型肺炎に関しては、過度に不安視する必要はないと主張してきたが、一筋縄ではいかない状況に陥っていることも否定できない。ワクチンが開発されれば視界はガラリと変わるのだが、それがない限りいつ収束に向かうのか見えないという不安がくすぶっているのは事実で、日本の夏場の気温と大差なく湿度も高いシンガポールで感染が広がっているという状況下、夏場に向け自然解消に向かうとの見方も確実視できない弱みがある。そうしたなか、全体下げ相場と逆連動して値を飛ばす新型肺炎関連株の一群も、きょうはその多くが利益確定売りに晒される格好となり、従来の“公式”が通用しなくなっている点も気がかりだ。

 頼みの綱は米国株市場だ。これまでのところ、新型肺炎について懸念はしても「“対岸の火事”的な余裕が米国の機関投資家にはある」(国内証券マーケットアナリスト)と指摘されている。事実、米株高とそれに付随するリスク許容度のおこぼれを日本株は2月第1週に外国人買い(現物と先物合計で約8000億円)という形で恩恵を享受した。しかし、もし米国株が新型肺炎に対する警戒を強め下落基調に転じた場合は事情が変わってくる。米アップルが新型肺炎の影響で1~3月期の売上高が計画ライン未達となるとの見通しを発表したが、これをアップルにとどまらず休場明けの全体マーケットがどの程度の受け止め方をするかが注目される。

 国内に目を向けると、足もとでは日経平均の下げよりも日経ジャスダック平均マザーズ指数の下げの方がきつい状況にある。中小型株に吹く逆風は思いのほか強い。ただし、悲観的要素を並べて「だから買えない」ではなく、あくまで「どこで拾うか」という戦略的な思想を持つことが投資家には必要とされる。さながら今は有望株の赤札市だ。落ちてくるナイフがどこで地面に刺さるかを見極める作業も大切だが、ファンダメンタルズ面からのアプローチで現在売られ過ぎゾーンにあると判断される銘柄を参考に挙げてみる。

 販促支援やPRを行い前6月期から利益急成長トレンドにあるサニーサイドアップグループ<2180>。安川電グループのシステム開発担当でICT技術分野のトップランナーYE DIGITAL<2354>。ネットでリユース品を取り扱い巣ごもり消費の一角を担うマーケットエンタープライズ<3135>。自動車やIT系ニュースサイトなどを運営し「イード5Gモビリティ」で5G関連ビジネスも視野に置くイード<6038>。ストレージ開発・販売を手掛け人工知能(AI)分野にも積極的に踏み込むニューテック<6734>。回路素子や計測器の開発販売を行い、5G関連のテーマに乗って株価と業績を変貌させた多摩川ホールディングス<6838>など。無造作に買い下がるのはリスクが伴うが、チャートの形が整ったら参戦して戻り余地は小さくないと思われる。

 日程面では、あすは朝方取引開始前に1月の貿易統計、12月の機械受注が発表される。また、引け後に1月の訪日外国人客数が開示される。海外では、1月の米卸売物価指数(PPI)、1月の米住宅着工件数が注目される。1月28~29日に開催されたFOMCの議事要旨にも関心が高い。このほか、1月の英消費者物価指数(CPI)のほかトルコ中銀の政策金利も発表される。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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