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笹木和弘氏【気迷い相場継続、欧米発の金融不安でどうなる】(2) <相場観特集>


―先行き不透明感も、2万7000円台で思惑錯綜の日経平均―

 週明け27日の東京株式市場は日経平均株価が3日ぶりに反発に転じたが、上昇したものの2万7000円台半ばで強弱観が対立し、気迷いムードは拭えなかった。米銀の相次ぐ破綻や欧州大手銀行の経営不安なども取り沙汰されるなか、先行きが見えにくい状況にある。果たして今後、株式市場は上下どちらに動くのか。日本株だけでなく米国など海外株市場の動向も気になるところだ。ここからの相場展開について先読みに定評のある市場関係者2人に意見を聞いた。

●「金融システム不安の第1波は最悪期脱出か」

笹木和弘氏(フィリップ証券 リサーチ部長)

 3月に入り米地銀2行が相次いで経営破綻し金融システム不安が高まったことを受け、相場の様相は変わった。

 今回の金融不安はソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を通じて瞬時に情報が拡散し、大量の預金が引き出された結果、取り付け騒ぎが発生したという点で過去に経験したことがないものかもしれない。しかし、米国の地銀は経営不安がある先を他の地銀が買収するということが既に活発に行われており、経営不安のある地銀は以前から存在していた。今回は悪いニュースが瞬時に拡散したことで取り付け騒ぎに発展してしまったに過ぎない。米連邦準備制度理事会(FRB)など金融当局は積極的に流動性を供給しており、リーマン・ショックのような危機につながるものではないとみている。

 米長期金利は一時3.2%台まで急低下しており、そろそろ金融システム不安の第1波の最悪期は脱したように思える。クレディ・スイス・グループ<CS>の経営危機も、スイスの銀行である同行独自の問題もあったと思う。ただ、銀行が自己資本比率を維持するために貸し渋りなどに走るようなことがあれば、景気悪化から不良債権発生につながりかねない。それは、金融不安の第2波をもたらすことが予想される点には注意が必要だ。

 今後1ヵ月程度の相場では、NYダウは足もとの3万2000ドル台を底に3万4000ドル前後への戻りが期待できるとみている。逆に、米金利低下を背景に上昇したナスダック指数は1万500ポイント前後へ下落する可能性もありそうだ。

 個別銘柄では、銀行など金融株は反発が期待できるとみている。米地銀ではニューヨーク・コミュニティ・バンコープ<NYCB>やファースト・シチズンズ・バンクシェアーズ<FCNCA>、証券系ではモルガン・スタンレー<MS>やブラックストーン<BX>などは面白そうだ。逆に、米IT大手「GAFAM」などは当面は戻り売りだろうが、FRBの流動性供給が容易にやめられない面もあり押し目は買ってもいいと思う。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ささき・かずひろ)
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家の傍ら投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・香港・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。

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