トリプルレッドに備えるなかでハイテク株は手掛けにくい/オープニングコメント
14日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、次第にこう着感が強まる相場展開になりそうだ。13日の米国市場はNYダウが47ドル高、ナスダックは50ポイント安だった。朝方発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は予想に一致したため、安心感から買いが先行。CPIを受けて12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測が強まった。トランプ次期政権による政策期待の買いが続くなかで短期的な過熱感が警戒され、利益確定の売りからNYダウは下落に転じる場面もみられたが、CPIの結果を受けた利下げ期待が支えた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比320円高の38970円。円相場は1ドル155円50銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢の展開から始まりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時38490円まで売られる場面もみられたが、同水準に位置するボリンジャーバンドの-1σが支持線として機能する形から終盤にかけて切り返しており、25日線水準まで回復した。もっとも、前日の下落に対する自律反発の範囲であるため、25日線が位置する節目の39000円を明確に上放れてこないと、上へのバイアスは強まりにくいだろう。
一方で、エヌビディアなど半導体株の弱さが目立つ。トランプ次期大統領が、対中強硬派として知られる共和党議員2人を国務長官と国家安保補佐官に起用する構えと報じられるなか、米中関係の緊張が高まる可能性がある点が警戒される。さらに、米下院選挙で共和党が多数派を維持する見通しとなったと報じられている。大統領職と上下両院の多数派を共和党が占める「トリプルレッド」となり、トランプ次期大統領が政策を推進しやすくなるとみられる。中国に対する大幅関税の影響が警戒されるなか、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などは手掛けづらくさせそうだ。
そのため、日経平均株価は米CPIの結果を受けて反発して始まった後は、こう着感が強まりそうだ。ハイテク株の底堅さを見極めながらの展開になるなか、創業家らによる買収検討が伝えられている7&iHD<3382>の動向が注目されそうである。そのほか、決算を手掛かりとしたところでは、昨夕に決算を発表したTOPPAN<7911>、小田急<9007>、ニッパツ<5991>、PHCHD<6523>、日新薬<4516>、東映<9605>、TOYO<5105>、アズーム<3496>、Aiロボティクス<247A>、保土谷化<4112>、ミツバ<7280>、イノベHD<3484>、オートサーバー<5589>、グルメ杵屋<9850>などが注目される。
《AK》
提供:フィスコ