貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6857 アドバンテスト

東証P
9,447円
前日比
+62
+0.66%
PTS
9,480円
23:58 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
57.3 14.68 1.16
時価総額 72,377億円
比較される銘柄
ディスコ, 
東京精, 
東エレク

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乱調相場における賢者の選択 「珠玉の超割安・高配当株」特選6銘柄 <株探トップ特集>


―好業績かつ割安で株主還元に積極的な銘柄を狙う、値上がりと配当獲得の双方で刮目―

 東京株式市場は国内政局に対する不安や目前に控えた米大統領選などで、目先難しい相場環境を強いられている。米国に続いて日本でも個別企業の決算発表が本格化するなか、好調な企業業績に対する期待感はあるものの、好決算を発表しても注目度の高い銘柄ほど事前のコンセンサスに届かず、売りの洗礼を浴びるようなパターンも多くみられる。接戦が予想される米大統領選は結果判明まで時間を要するケースも想定され、当面は全体相場の不安定感が解消されない可能性がある。今の東京市場はボラティリティが高く、日々の全体指数の値動きに一喜一憂して、個別株戦略も方向性を見失いがちだが、できる限り中期保有と短期トレードどちらでも期待値の高い選択肢を考えたい。指標面で割安に放置された好業績株で、なおかつ配当利回りの高い銘柄がその答えとなる。

●視界不良のハイボラ相場に振り回される

 名実ともに11月相場入りとなった1日の東京市場は日経平均株価が大乱調、1000円を超える急落に見舞われた。その前々日に日経平均は3万9000円台を終値ベースで2週間ぶりに回復したばかりであった。そこから一転して3万8000円台をフリーフォール状態で急降下、気が付けば3万7000円台に片足を突っ込むという相変わらず前方視界不良のジェットコースター相場が続いている。今週は総選挙で与党が大敗を喫した翌日からのスタートだったが、大方の予想に反し急騰劇を演じ、週前半の3営業日で1300円以上水準を切り上げた。しかし、今の相場は一筋縄ではいかない。週後半の2営業日で何とそのほとんどを吐き出す格好となってしまった。

 とりわけ 半導体関連株の上下動の激しさは、一般投資家にはとてもついて行けない予測不能の領域であったかもしれない。週央にディスコ <6146> [東証P]が独り舞台ともいえる大活況高を演じた。そしてその翌日にはディスコに代わってアドバンテスト <6857> [東証P]が今期業績予想の大幅増額修正を好感され急速人気となった。ところが、半導体セクターへの投資資金流入が本格化するかと思われた矢先、週末はレーザーテック <6920> [東証P]がコンセンサス未達の決算を嫌気され暴落といってよい下げに見舞われてしまった。半導体セクター復活の狼煙を上げたアドテスト、ディスコのツートップ銘柄をはじめ、その他の半導体関連株も総売り状態を余儀なくされ、投資家のセンチメントを一気に冷やしている。

●投資家サイドの期待の本丸は株主還元

 国内では日銀の植田和男総裁が12月の金融政策決定会合での追加利上げの可能性を示唆する発言を行った。日銀の12月利上げは想定の範囲内とはいえ、改めてその気配をみせられると、グロース株には警戒ムードが漂いやすい。半導体関連もうまくトレンドに乗れば上昇ピッチは速いのだが、週末に急落したレーザーテクのように、少しでもネガティブ材料が顕在化すると想定以上の売り圧力がかかるケースも少なくない。短期で値幅が取れそうな銘柄は実はリスクも大きいという“株の摂理”を如実に映し出している。

 ここで投資家の立場で企業の株式を保有するということの意味を考えると、当然ながら企業の業績が伸びることを期待して投資するわけだが、その増加した収益に見合うリターンを得ることが原点となっている。いわゆるこれはインカムゲイン、企業から受け取る配当である。株価が上昇すればもちろんキャピタルゲイン、つまり売却することで値上がり益を獲得することもできる。ただしこの場合、株価が上昇するというのはその当該企業の株を買いたいという人が増えるということを意味しており、当該企業の収益成長に伴いホルダーに株式分割や増配でリターンが増えることを前提としたものだ。こう考えると株価上昇というのは副次的なものであり、本丸は株主還元への期待にほかならない。

●「日経高配50」はコロナショックから3倍超に

 高配当株を保有していれば、毎期配当金が楽しみとなる。株価は気にしなくていいというと語弊はあるが、例えば配当利回り5%の株を20年保有すると投資金額すべてを回収、コストゼロで株式を保有できる勘定となることも認識しておきたい。仮にその企業の株価が下がった場合は、更に回収にかかる時間は短縮される理屈である。一つ気をつけなければいけないのは、投資した企業の業績が低迷した場合は減配のリスクが生じることだ。しかし、業績良好な銘柄を保有すれば、それ以上に増配の可能性の方が高くなるということも忘れてはならない。

 そして、何よりも高配当株の株価パフォーマンスは全体指数を大きく凌駕することがデータ的にも明らかとなっている。日経平均はコロナショック時の2020年3月に1万6552円(終値ベース)まで売り込まれたが、そこから驚異的な復活を果たし今年7月11日には史上最高値4万2224円をつけ、ほぼ2.5倍化した。しかし、日経平均採用銘柄の中で配当利回りの高い50銘柄で構成された指数に連動したNEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 <1489> [東証E]のパフォーマンスは更に目を見張るものがある。20年3月に777円の底値をつけたのに対し、今年7月4日には2495円の最高値を形成した。こちらは3.2倍化しており、日経平均と比較しても約3割もアウトパフォームしている。配当利回りの高い株は、株価も上昇しやすくキャピタルゲインを狙う投資を前提としても非常に魅力的であることが分かる。

 今回のトップ特集では、足もとの業績の内容が良く成長性も内包し、なおかつ「PER10倍未満の超割安圏に位置する配当利回りの高い株」を6銘柄厳選エントリーした。全体相場のボラティリティが高くても、それに振り回されることなく、むしろ荒れた地合いだからこそ買いの好機が提供されている(安値を拾える)可能性も高い。投資資金とタイミングを分散して買い溜めるのも一つの手段だ。

●PER10倍未満の好業績・高配当株6選

◎竹内製作所 <6432> [東証P]
【配当利回り4.2% PER7.6倍】

 竹内製作所はミニショベルなどに代表される小型建機メーカーで、欧州や北米など海外で抜群の商品競争力を誇っている。海外売上高比率が99%という異色企業。同社が世界で初めて開発に成功した小型ブルドーザーのクローラーローダーはぬかるんだ場所での作業安定性で優れた性能を持ち、高水準の需要を獲得している。売上高の増勢基調が続くなか、22年2月期以降は利益の伸びも際立つ。営業利益は24年2月期の66%増益に続き、25年2月期も前期比26%増の445億円予想とピーク利益の大幅更新が続く見通し。好業績を株主還元にも反映させ、大幅増配を毎期続けていることも評価され、25年2月期は200円(前期実績は158円)を計画、配当利回りは4%を超える。株価は9月下旬以降、25日移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動を継続しているが、今後も上値を慕う展開で5000円台後半を視野に置く。

◎UTグループ <2146> [東証P]
【配当利回り6.4% PER7.9倍】

 UTは製造業派遣の先駆的存在で、半導体や自動車業界向けを中心に無期雇用派遣で実績を積み上げている。チームを組んで生産ラインを一括して受託する大型案件の獲得で業界他社と一線を画す。海外では日本と親和性の高いベトナムで製造業派遣を展開している。このほか日系人材事業として日本の製造業向けに日系ブラジル人などを派遣する。半導体向けは生成AI市場の急成長を背景に、AI用半導体など新たな需要の創出が商機を高めていくことになりそうだ。25年3月期営業利益は前期比46%増の136億円を見込んでおり、これは3期連続の過去最高更新となる。8倍前後のPERに割安感が強いうえ、今期年間配当は前期実績比68円あまりの大幅増配となる164円81銭を計画。配当利回りにして6.4%近辺と極めて高水準で、高ROEも魅力。中長期で3000円台後半がターゲットとなる。

◎アイモバイル <6535> [東証P]
【配当利回り5.2% PER9.8倍】

 アイモバイルはネット広告配信事業を展開しており、コンシューマ事業部門のふるさと納税サイト「ふるなび」の運営が収益の主柱を担っている。また、国内最大級の広告配信規模を有するアドネットワークなども手掛ける。ふるさと納税は会員数が増勢一途でトップラインの拡大が続く。サイトの顧客基盤を活用しトラベル事業や飲食店PR事業などの育成に注力。25年7月期営業利益は前期比27%増の45億円予想で3期ぶり過去最高利益更新を見込んでいる。今期の年間配当は前期実績に4円増配の26円を計画しており、配当利回りは5%を超えている。株価も500円前後で値ごろ感があり、490円近辺で収れんする上向きの13週・26週移動平均線を足場にリバウンド局面への移行が想定される。10月7日につけた年初来高値575円奪回を通過点に約3年5カ月ぶりの600円台乗せも十分に可能。

◎And Doホールディングス <3457> [東証P]
【配当利回り4.3% PER7.8倍】

 AndDoは不動産売買仲介事業をフランチャイズ(FC)と直営店舗で展開し、旺盛な住宅需要を背景に業績は高成長路線を邁進している。首都圏ではFC加盟店が増勢基調で追い風が強い。また、同社が手掛けるハウス・リースバック事業は、個人が自宅売却後に調達した資金でリース契約を行い自宅に住み続けられるスキームであり、これが高水準のニーズを捉え全体収益を押し上げている。営業利益は前期まで4期連続で2ケタ成長を継続しているが、25年6月期も前期比12%増の40億円予想と成長トレンドに変化はない。高成長が続くなかもPERは8倍弱と割安感が強いうえ、今期計画を含め5期連続の増配(今期45円予想)で配当利回りは4.3%前後に達する。株価は1000円トビ台でのもみ合いが続いているが、早晩ここを上放れ、4月15日につけた年初来高値1319円をターゲットとする上昇波動に突入しそうだ。

◎日新 <9066> [東証P]
【配当利回り4.8% PER5.8倍】

 日新は海上、航空、陸上での貨物運送及び倉庫業務を手掛ける総合物流企業で、国際物流で高い実力がある。海外売上高は24年3月期実績で約40%を占める。自動車や化学品、食品のほか、危険品(爆発性や毒物性などを有する商品)などの取り扱いを重点分野に置く。このほか旅行や不動産事業にも展開する。国内では自動車関連及び食品、化学品の取り扱いが堅調を維持し、賃貸不動産事業も利益に貢献。25年3月期は営業利益が前期比13%増の91億円を見込んでいる。株価は今年7月1日に4925円の年初来高値をつけた後下押しているが、PER6倍前後、PBRも0.7倍近辺と株価指標面からかなり割安な水準だ。加えて株主還元に積極的で近年は大幅増配を繰り返しており、特に今期は前期実績の110円からほぼ倍増となる200円を計画。配当利回りは約4.8%に達する。株価は年初来高値奪回から5000円台乗せを狙う。

◎オカダアイヨン <6294> [東証P]
【配当利回り3.7% PER8.2倍】

 オカアイヨンは破砕や解体に使う建機の製造・販売を手掛けており、油圧ショベルの先端に装着する建築物解体用アタッチメントでは業界シェア首位を誇っている。国内では再開発案件が相次ぐほか、老朽建築物の解体需要も旺盛で収益機会が高まっている状況だ。米国を中心に海外での需要開拓に傾注、売上高の約4分の1を海外で占めている。株価指標面で割安なほか、株主還元にも前向きで25年3月期配当は前期実績比4円増配となる74円を計画している。配当利回りに換算して3.7%だが、配当性向30%をメドに今後も増配指向が続く公算は大きい。ROEが12.6%と2ケタ水準をキープし、PER8倍台と割安感が目立つ。営業利益は24年3月期の38%増益に続き、25年3月期も前期比7%増の29億円予想と4期連続での過去最高更新を見込んでいる。株価は底値圏離脱から中勢3000円台活躍を目指す展開に。

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