FOMCを前に不安定な動きも引けで36000円はキープ【クロージング】
17日の日経平均は大幅続落。378.54円安の36203.22円(出来高概算18億7000万株)で取引を終えた。16日の米国市場でNYダウが最高値を更新したことから、朝方こそ日経平均は反発して始まったが、直後につけた36663.18円を高値に軟化した。米国の大幅な利下げ観測を背景に3連休中に円相場が一時1ドル=139円台と約1年2カ月ぶりの円高水準に達したため、輸出企業の業績懸念が次第に警戒され、日経平均は前引けかけて35828.54円まで売られた。一方、日米の金融政策決定会合の結果待ちのなかポジションを傾ける動きは限られ、節目の36000円を下回る場面では押し目を拾う動きもみられた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が950を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、海運、水産農林、陸運、空運など14業種が上昇。一方、保険、銀行、証券商品先物など18業種が下落し、非鉄金属は変わらずだった。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、中外薬<4519>、NTTデータ<9613>が堅調だった半面、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、TDK<6762>が軟調だった。
3連休明けの市場は、日米金利差縮小観測から円高が進んだため、輸出関連企業の業績不安が相場の重荷になった。また、米アップルの新型iPhoneの販売不振観測から、米国市場でハイテク株が下落したことも響き、半導体関連株にも値を消す銘柄が増えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にした持ち高調整売りに短期的な売り仕掛けの動きも加わり、日経平均の下げ幅は一時700円を超えた。ただし、後場はショートカバーとみられる動きから下げ幅を縮めており、東証プライムの騰落銘柄についても、前引けでは値下がり数が過半数を占めていたが、大引けでは値上がり数が上回っていた。
今週の東京市場は、FOMCの結果判明を前にした海外ヘッジファンドなど短期筋などの動きにより、神経質な値動きとなることが想定される。米国の利下げについては、0.5%の大幅利下げの可能性が7割程度織り込まれているというのが大方の見方となっている。アク抜けとなる可能性もあるため、まずは結果を受けた金利や為替市場の反応を見極めたいところであろう。
《CS》
提供:フィスコ