円高一服でインデックス買いが断続的に入る【クロージング】
27日の日経平均は反発。178.40円高の38288.62円(出来高概算13億3000万株)で取引を終えた。前日の米国市場でハイテク株が売られた流れを映して、日経平均は続落スタート。取引開始直後には37911.32円まで水準を切り下げた。ただ、円相場が1ドル=144円台後半と円高が一服しているため、自動車など輸出株を中心に買われたことが相場を支えた。日経平均は売り一巡後は38000円水準での底堅さが意識されるなか、後場は買い戻しの動きが強まる格好だった。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1300を超え、全体の8割を占めた。セクター別では、繊維製品、空運、その他製品の3業種を除く30セクターが上昇。パルプ紙、鉱業、鉄鋼、輸送用機器、石油石炭の上昇が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、中外薬<4519>、ソニーG<6758>、リクルートHD<6098>が堅調だった半面、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、レーザーテック<6920>、ディスコ<6146>が軟調だった。
米国市場では米半導体大手エヌビディアの決算発表が近づくなか、ハイテク株には持ち高調整の動きが強まった。この影響から東京市場においても指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱さが目立った。一方、前日に1ドル=143円台まで進んだ円高が一服するなか、輸出株には買い戻しの動きが先行。インデックスに絡んだ商いが断続的に入るなか、終盤にかけて日経平均の上げ幅は200円を超える場面もみられた。
日経平均は反発したが、薄商いのなかでインデックスに絡んだ商いの影響が大きいとみられる。28日のエヌビディアの決算発表前に、半導体関連株の弱い値動きが目立っており、弱めの内容を織り込んでいるようである。一方で、グロース250指数は4営業日続伸で200日線を突破してきた。7月半ばに付けた697.56が射程に入るなか、これをクリアしてくるようだと、中小型株に値幅取り狙いの資金が向かいやすくなるだろう。
なお、米国では、8月のコンファレンスボードによる消費者信頼感指数が発表される。米経済を下支えしてきた堅調な消費動向に陰りが見られるかが注目される。このほか、6月のケースシラー住宅価格指数や8月のリッチモンド連銀製造業指数の発表なども予定されている。
《CS》
提供:フィスコ