ヤマタネ Research Memo(6):中期経営計画は前倒し達成の状況、最後の仕上げへ(1)
■ヤマタネ<9305>の長期ビジョンと中期経営計画
1. 長期ビジョン「ヤマタネ2031ビジョン」
同社グループは2022年5月、変貌する外部環境のなかでサステナビリティ経営の高度化を目指し、目指すべき企業像を描いた長期ビジョン「ヤマタネ2031ビジョン」(2023年3月期?2031年3月期)を策定した。最も重要な同社のパーパス(存在意義)は「多様な人財が集い、社会に貢献する力を生み出す」と定めた。これは、同社の創業者である山崎種二が15歳で上京して、丁稚奉公から身を起こし、事業だけでなく学術文化を通じて社会に貢献した志と精神を大切にすること、そして社員に果敢な行動を起こす勇気を与え、多様な人財が手と手を取り合い、一体となってステークホルダーの期待に応え、価値を提供し、ひいては豊かな社会の実現に貢献することを表している。そのうえで、9ヶ年を通じて目指す姿(ビジョン)として、「物流と食の流通を通じ、より豊かな社会づくりにチャレンジしていく」を設定した。これは、前述した同社のパーパスを確かなものにするため、全ステークホルダーと目指す姿を共有し、その実現を通じて、顧客、従業員、取引先、地域社会、地球環境に向けて価値を提供していく。そして、事業を通じて社会貢献するために同社に必要な資本を提供する存在である株主に対しても、長期的な価値を創出していくことを表したものだ。また、「企業理念に基づく『信義・信頼・信用』のサイクルを原点に、バリューチェーン上の各ステークホルダーとの適切な連携・協働を通じて、社会に安心と安全、効率性を提供する」ことをバリュー(提供する価値)としている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《HN》
提供:フィスコ