貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6479 ミネベアミツミ

東証P
2,563.5円
前日比
-6.0
-0.23%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.6 1.44 5.94
時価総額 1948億円
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【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─テーマではアップル・防衛・バイオ関連に注目!


「テーマではアップル・防衛・バイオ関連に注目!」

●好業績の個別株物色へシフト

 7月の東京株式市場は、外部環境を睨みながらも上値を試す展開となりそうだ。日経平均株価の4万円以上では戻り待ちの売りも多いとみられる一方、米金融緩和への期待感などが下支え要因になりそう。月末は決算発表シーズンとなり、好業績の個別株物色が想定される。日経平均株価の予想レンジは3万8500円~4万500円。

 主な米国スケジュールでは、1日にISM製造業景況指数、3日にISM非製造業景況指数、6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨、5日に雇用統計、11日に消費者物価(CPI)、12日に卸売物価(PPI)、月末にはFOMC結果発表などがあり、9月以降の利下げを探る意味でも雇用統計やCPIへの関心が高い。

 欧州では7日に仏国民議会(下院)決選投票がある。フランスの政情不安が警戒されていることもあり、結果は要注目といえる。26日にはパリ五輪が開幕(~8月11日)する。

 国内では1日に日銀短観(6月調査)、7日に東京都知事選投開票、31日に日銀金融政策決定会合の結果発表などがある。下旬からは3月期決算企業の第1四半期決算発表が本格化する。日銀短観で企業が業績見通しをどう見ているかもポイントとなる。日銀金融政策決定会合で国債の買い入れ残高を減らすことは織り込み済みだ。植田総裁の会見では日本の景況感に対する認識や利上げへのスタンスなどが注目される。

 国内需給要因では、ETFの分配金捻出のための換金売りを警戒する向きもある。大手調査機関によれば、8日、10日の2日間合計で1兆3000億円規模の換金売りが出るという。

 6月最終週からは、外国人投資家の買いが観測されている。日立製作所 <6501> [東証P]、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、トヨタ自動車 <7203> [東証P]などTOPIXコア30に採用されているような中軸銘柄に妙味がある。半導体ではエヌビディア<NVDA>の株価動向に関心が集まっているが、ディスコ <6146> [東証P]をはじめ、アドバンテスト <6857> [東証P]、TOWA <6315> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]などの押し目は中長期投資目的で注目しておきたい。

●ダークホースとなるか?バイオ関連株

 テーマとして久々にアップル関連株が浮上している。先にアップル<AAPL>が発表したiPhoneなどにAI(人工知能)を搭載する仕組みについての評価が高く、発表直後には時価総額でマイクロソフト<MSFT>を抜いて首位に躍り出た。同社のAI「アップル・インテリジェンス」は基盤モデルを自社開発し、音声アシスタント「Siri(シリ)」などの機能ではオープンAI社の対話型AI「Chat(チャット)GPT」も活用できるようになっている。

 24年秋にも「アップル・インテリジェンス」を搭載したiPhoneを発売する予定で、日本のサプライヤーが物色されつつある。ノイズ除去などに使われる積層セラミックコンデンサでは世界首位の村田製作所 <6981> [東証P]のほかTDK <6762> [東証P]、太陽誘電 <6976> [東証P]も世界大手。画像センサーではソニーグループ <6758> [東証P]が有力サプライヤーであり、アップル向けは台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の熊本工場でも生産される予定だ。デクセリアルズ <4980> [東証P]はスマホのタッチパネル基板などに使われる異方性導電膜を展開し、ヒロセ電機 <6806> [東証P]はコネクター(接続部品)を供給している。カメラのオートフォーカス用アクチュエータはミネベアミツミ <6479> [東証P]、アルプスアルパイン <6770> [東証P]が担当している。

 防衛産業も注目される。予算の増額で産業自体が拡大することに加えて、今回防衛省は防衛装備品を発注する際の企業側の想定営業利益率を最高15%に引き上げている。22年末に決めた国家安全保障戦略では防衛産業を「防衛力そのもの」と位置づけた。利益率15%は製造・開発を発注した弾薬、航空機・艦船、通信機器などに適用したという。これまで儲からない仕事だったが、これからは規模や採算面で収益貢献が見込まれる。24年3月期に受注が大幅増となっている三菱重工業 <7011> [東証P]、東京計器 <7721> [東証P]、中期経営計画での拡大を見込むIHI <7013> [東証P]、日本製鋼所 <5631> [東証P]、川崎重工業 <7012> [東証P]、レーダーなどの設備増強を行う三菱電機 <6503> [東証P]などが有望とみられる。

 ダークホースはグロース市場のバイオ関連株か。サンバイオ <4592> [東証G]、クオリプス <4894> [東証G]の人気化を受け、セルシード <7776> [東証G]、キャンバス <4575> [東証G]、ジーエヌアイグループ <2160> [東証G]、ノイルイミューン・バイオテック <4893> [東証G]などにも短期妙味が浮上している。割り切り狙いで対応したいところだ。2日には独自の創薬基盤を用いた新薬研究・開発のPRISM BioLab <206A> [東証G]、30日には重症心不全患者を対象としたiPS細胞由来の心筋球移植治療などに展開するHeartseed <219A> [東証G] がそれぞれグロース市場に新規上場する。

(6月28日 記/次回は7月28日配信予定)

■和島英樹(Hideki Wajima)
株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

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