貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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2802 味の素

東証P
6,312円
前日比
+121
+1.95%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
33.3 4.10 1.27 1.13
時価総額 32,085億円
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「6G」時代を先取れ、日本が主導権狙う「光電融合技術」で輝く銘柄7選 <株探トップ特集>


―NTTの「IOWN」の展開に注目、データセンターの省エネ化などにも効果―

 今年から6年後の2030年。そこでは、 メタバースやAR/VRといったサービスによるコミュニケーションの変化をはじめとして、生成AIによる各種コンテンツの自動生成、ビルのインテリジェンス化、埋設インフラの自動メンテナンス、高所インフラの遠隔点検、製造現場作業のリモート化など、今まさに取り組みが進んでいるサービスが普及した社会の到来が予想されている。この先進社会を支える「通信インフラ」の進化は必須で、時代は 次世代通信規格「6G」を目指して突き進んでいる。そんななか注目を集めているのが、省電力かつ低遅延の通信を実現させる「光電融合技術」だ。

●25年以降、「6G」技術を国内ネットワークに順次導入も

 23年8月に総務省は、携帯電話事業者からの報告に基づき、22年度末の5Gの整備状況を取りまとめている。同発表によると、全国の5G人口カバー率は96.6%となり、デジタル田園都市国家インフラ整備計画の整備目標を1年前倒しで達成した。とはいえ、現実問題としてまだまだ大部分の通信は4Gを利用しており、対応端末の普及なども踏まえれば、5Gの恩恵を多くの人々が感じるようになるのは、これからだろう。

 一方、5G網の整備が進んだことで、政府を含めた関係者は早くも“その次”を見据え始めている。5月下旬には、総務省が夏にも、「Beyond 5G」とも呼ばれる、次世代通信規格「6G」の普及を見据え、光を用いた高速通信に関する標準規格の整備企業を公募する、と報じられた。6Gについては、これまで30年をめどに導入予定とされてきたが、30年を待たず25年以降順次、国内ネットワークへの実装・市場投入をしていくとの社会実装戦略を政府は持っているようだ。言うまでもなく、研究開発も同時進行して成果を出していく必要があるなど課題も少なくないが、6G領域で日本が主導権を握りたいとの強い意向はくみ取れる。

 6Gが普及した社会を支える技術として、(1)オール光ネットワーク技術(2)非地上系ネットワーク技術(3)セキュアな仮想化・統合ネットワーク技術の研究開発加速が重要なポイントとして挙げられている。このうち、オール光ネットワーク技術の構成要素の一つが「光電融合技術」である。簡単にいえば、従来電気で行っていた処理を可能な限り光に置き換えるものだ。

●データの爆発的増加による通信逼迫を解決、省エネ化にも威力

 ビジネスの世界では、人工知能(AI)デジタルトランスフォーメーション(DX)IoT(モノのインターネット)などのキーワードが盛んに取り上げられているが、これらの導入が加速して、今後我々の日常生活の利便性が増していく一方、それに伴って社会全体のデータ量が爆発的に増加し、通信容量の逼迫が生じることが確実視されている。光電融合技術は、そうした状況の解決の一端を担うもので、省電力かつ低遅延の通信を実現させる。当然、「データセンター」にもこの技術は大きく関係しており、光電融合技術が普及すれば、現在の最先端データセンター比でも40%以上の省エネが実現可能とされている。

 既にNTT <9432> [東証P]が中心となって大手企業と連合を組み、光電融合技術を活用する「IOWN(アイオン)」構想の実現に向けて邁進している。23年3月からは「IOWN1.0」サービスの提供が開始されただけでなく、同年6月には東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]グループの東急不動産と、大規模再開発が進み注目を集めている渋谷において、IOWN構想に関連した技術・サービスなどを活用した新たなまちづくりに向けた協業も決まった。未来社会の実現に向けて着々と取り組みが進展している。

 今年1月末には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発事業として同技術に関連するNTTなどの研究テーマが採択され、多額の支援が決まったほか、総務省も近く光技術に関して総合的な戦略をまとめるとの報道も出ている。「光電融合技術」関連の銘柄では、当然、NEC <6701> [東証P]や富士通 <6702> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、ソニーグループ <6758> [東証P]といった企業が注目されるが、以下では主力のNTTに加え同技術に関連する個別材料銘柄に焦点を当てた。

●ACCESS、santec、古河電、日本オラクルなど注目

 NTT <9432> [東証P]~同社が提唱する次世代ICTインフラ基盤である「IOWN」構想を推進すべく、グループで光通信関連デバイスの開発などを手掛けるNTTエレクトロニクスと、NTT研究所の光通信関連デバイスの研究開発機能をスピンオフし統合した新会社「NTTイノベーティブデバイス」を23年に発足させた。光電融合デバイスの設計開発、製造、販売などの機能を備える専業メーカーとして、光電融合デバイスの圧倒的な小型・薄型化によってチップレット化を図る計画である。

 ACCESS <4813> [東証P]~同社は23年12月に「IOWN構想」の発展に向けて、NTTと資本・業務提携を締結した。提携をもとに、IOWNに必要とされるUI/UXを実現するための研究開発の推進や、NTTが研究開発してきた技術とACCESS子会社のネットワークOSの技術を活用したネットワークOS「Beluganos」に関する研究開発・商用化とグローバル市場での販売・サポートの強化を進めている。

 santec Holdings <6777> [東証S]~光通信関連の研究開発や生産活動に必要不可欠な光部品を開発、製造、販売。また、光通信市場向けの波長可変光源や各種光測定装置、OCT(光干渉断層画像計)光源、OCTシステム製品など、光技術を応用した製品を提供する。「IOWN」の社会実装を推進すべくNTTなどが発起人となって20年に設立された「IOWN Global Forum」へ参画している。

 イビデン <4062> [東証P]~ICパッケージ基板で世界シェアトップ。政府が支援するポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業において、3次元実装技術開発(後工程)を手掛けている。

 味の素 <2802> [東証P]~体を作るアミノ酸の働きの研究や実装化のプロセスからさまざまな素材・機能・技術・サービスを創造してきたが、ヘルスケア、フード&ウェルネス、ICT、グリーンの4つの成長領域に注力。ICTでは味の素ビルドアップフィルムが半導体基板に不可欠な材料として、需要が拡大している。また、新領域への展開や、光電融合など次世代の半導体システムの機会も捉えた新事業に展開させる計画である。

 古河電気工業 <5801> [東証P]~フォトニクスの通信分野への適用ならびに新事業の創出を先導する研究所である「フォトニクス研究所」において、同社のコア技術との融合により光デバイスの低消費電力かつ高密度実装を行い、光電融合技術へと発展させている。また、フォトニクスの応用先として、衛星間通信、空間エネルギー伝送、医療用途に向けた技術開発を進めている。

 日本オラクル <4716> [東証S]~分散クラウド環境下でのデータ管理を高速・低遅延、高い電力効率で実現可能なOracle Cloud Infrastructure(OCI)をNECが構築したIOWNのAPNのネットワークと連携させることで、場所を越えた新たな協働・体験の具現化に向けて共創活動を行っている。

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