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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8934 サンフロンティア不動産

東証P
1,851円
前日比
-11
-0.59%
PTS
1,855円
22:53 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.4 0.96 3.57 48.27
時価総額 902億円
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サンフロ不動産 Research Memo(8):2028年3月期に売上高1,350億円、経常利益270億円目指す(2)


■サンフロンティア不動産<8934>の成長戦略

3. 成長戦略と重点施策
次期中期経営計画では、開発とサービス・運営を組み合わせた不動産活用の多角化を進め、事業領域とエリアを拡大することで成長を加速させる。オフィス市場では、企業が集積する東京において中小型ビルの老朽化が進むなか、資源の無駄遣いを抑えた改修や建て替え需要が強いことから、事業領域を新築へと拡大させる。直近では、ZEB化に向けた取り組みとして、ワイヤレス給電技術の実用化製品「AirPlug」を同社管理物件に導入することを公表しており、今後も積極的に対応する方針である。ZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称であり、快適な室内環境を実現しながら、省エネルギー化や再生可能エネルギーの利用により、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物を指す。ビルを購入する投資家とテナントに入居する企業の双方において、環境に配慮した物件であるかを重視する方は少なくない。こうした取り組みは、サステナビリティの観点のみならず、同社事業の中長期成長にとってもプラスに働くと弊社では見ている。また、不動産小口所有商品は教育・医療をテーマにしており、長期的なキャッシュフローが見込まれるため、潜在的成長性が高い市場である。東京23区内に加えて、大阪・名古屋等の主要都市及び周辺地域にエリアを拡大することで全国の顧客ニーズに対応していく。貸会議室運営においても、大阪・名古屋にエリアを拡大する予定である。貸会議室の既存顧客には全国規模の会社も多く、大阪・名古屋エリアについての問い合わせも受けていることから需要は高いと同社では考えている。レジデンシャル市場では、人口増加と高い成長率が続くニューヨークとベトナムや、転入超過が続く東京圏において、高品質の居住用不動産を提供していく。

次期中期経営計画における投資総額は3,100億円を見込んでおり、将来の事業成長へ向け、各事業の利益率や回転率を重視した上で、資本コストを意識しつつ、成長分野に積極投資する方針である。

また、次期中期経営計画の重点施策として、「人財基盤の強化」「お客様視点のものづくりと心温かいサービス」「本業連携多角化の推進」の3つを掲げている。

(1) 人財基盤の強化
採用の強化により人財を増強するとともに、経営理念に基づく教育・育成によるリーダー人財の輩出や、アメーバ経営の下でアメーバ分裂による組織拡大を図る。人財育成方針として多様性の尊重と活用を掲げ、働きがい、創造性、成長機会のある職場作りに向けて環境を整備する方針である。年齢・性別・国籍を問わない多様性を持ち、「利他」の価値観で人財の集まる企業へとさらなる進化を目指す。具体的な施策としては、社員のライフステージに合わせた職場環境整備や柔軟な研修機会の提供、事業の多角化と組織の拡大に向けたアメーバリーダー人財の育成・輩出、次世代リーダー育成プログラムの構築、外部研修への支援制度等の充実を図り、所定労働時間に対する研修時間の割合が12%以上となるよう推進する。その他にも、DX活用や業務プロセス改善により個々の能力を向上させ、時間当たり経常利益額を前期比で増加させる。

(2) お客様視点のものづくりと心温かいサービス
ものづくりの面では、新築ビル開発、ホテル開発、ニューヨークでのアパートメントリプランニング、ベトナムでのマンション開発において、オフィスビルのリプランニングで培ったユーザー視点のものづくり力を活用する。建設事業基盤の強化については、M&Aの活用も視野に入れる。サービスの面では、ビルオーナーに寄り添い、長期的視点に立った課題解決力の向上と、テナント・サービス利用企業の要望に応えるきめ細やかで心温かい対応力の向上を掲げる。また、ホテル宿泊者に対して心温かい楽しいサ―ビスを提供できる人財の育成と組織風土作りを強化する。

(3) 本業連携多角化の推進
本業連携多角化の推進により、事業領域を拡大しフロー型事業の多様化を図るとともに、ストック型事業の売上構成比率を高めていく。フロー型事業では、リーシングマネジメント部門・プロパティマネジメント部門・建設部門の連携により、建物の経済価値を長期的に維持することを目指す新築事業を展開する。また、不動産小口所有商品では、都心周辺に加え、大阪・名古屋での商品展開を推進する。海外市場においては、ニューヨークでのアパートメントリプラニングやベトナムでのマンション開発を推進する。ストック型事業では、顧客の課題解決のためにさらなる多様な不動産サービスの提供を目指す。リーシングマネジメント事業では、都内の支店網を増強しサブリース受託に注力し、プロパティマネジメント事業では、管理受託棟数の増加に向けた取り組みを推進する。また、貸会議室事業では運営面積を拡大し、ホテル・観光事業では、M&Aも視野に入れ、ホテル運営室数の拡大を図る。事業領域を拡大する中で、ストック型事業の成長を加速させることで、グループ全体の安定的な収益基盤が強化されると弊社では考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《HN》

 提供:フィスコ

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