貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6358 酒井重工業

東証P
2,389円
前日比
-1
-0.04%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.0 0.68 4.31 6.84
時価総額 211億円
比較される銘柄
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JIGーSAW Research Memo(4):「JIG-SAW OPS」を主軸に「NEQTO」を拡大中(2)


 

■会社概要

(2) IoT向け各種サービス
JIG-SAW<3914>は2018年に開発したIoTエンジン「NEQTO」を活用して、あらゆる産業のIoTシステムやIoTデバイスを対象に、マイクロプロセッサ向けエンジンからライフサイクルを通じたマシンの安全管理サービスまで、オールインワンのIoTソリューションを提供している。特徴はIoT-OEMライセンスとIoT-データコントロールにあり、IoT-OEMライセンスでは、IoTエンジンをハードウエアに組み込んでOEM(相手先ブランド)として提供している。IoTデータコントロールでは、エッジからクラウドまでのEnd-to-End(通信・ネットワークの端末を結んだ経路全体)のデータストリーム各所で自動検知と自動制御を行うことができる。また、機器のIoT化からデータ生成、エッジ処理、最適化・転送、認識・蓄積及び自動制御まで、カスタマイズした対応も可能となっている。

IoTエンジン「NEQTO」は、機器・機械などエッジデバイスから通信経路、クラウドまで、IoTに必要な制御機能が統合パッケージ化されたシステムであり、あらゆるIoTプラットフォームサービスとの接続が可能で、顧客は様々なエッジデータや通信方式を接続するだけで容易にIoTすべてのエッジ機器を安全に接続・管理し、保有するIoTデータ分析を最大限に活用することができる。独自性・拡張性の高いハード/クラウドへの実装をサポートするOEMライセンスと、開発済IoTエンジンとクラウド型管理を提供するSaaSライセンスがあり、いずれもハイレベルなセキュリティを実装している。設備の予防保全、各種メーター監視、モノや車両の位置管理など、大小問わず様々なIoTビジネスに対応が可能なため、既に多くの業界で活用され、日本、米国及び台湾では特許も取得している。米国子会社の設立を契機に、イベントを中心に北米で大規模なプロモーションを展開するなど、グローバル規模での事業展開も進めているところである。

(3) 基盤コア技術を応用したプロジェクト
同社の基盤コア技術を応用したプロジェクトは、非常に先端的で、自動運転・自動操縦アルゴリズムの研究・開発・実証、ソフトウエアによる視覚再生プロジェクト「NEW VISION」及び画期的な画像処理を可能とするコンピュータビジョン技術など、商用化に向けて開発中である。

同社は、酒井重工業<6358>と共同で、i-Construction分野で業界標準となるロードローラなど締固め機械の自動運転・自動操縦ソフトウエアの開発を進めてきた。盛土などの土木構造物に求められる剛性・密度といった品質に大きく影響する締固め工程で用いられるロードローラに、同社が独自開発した自律走行・操縦ソフトウエアを搭載し、自律制御・自動操縦の実用化を目指しており、現在、研究開発やテストなどのプロセスを経て、実地での検証や本格的な実証実験を実施する段階となっている。大手建設会社各社などとの連携に加え、様々な建機との連携も視野に入れてプロジェクトを推進するなど、機能拡張や製品化・商用化に向けた取り組みを強化しており、今後様々な実証実験を繰り返したのち、2024年中には商用化を実現する予定である。その際に同社は、建機搭載の自動運転ソフトウエアライセンスとデータマネジメントサービスを提供することになるようだ。

同社は、国立大学法人岩手大学の冨田浩史教授と共同で、データ通信の基幹技術である信号制御技術を応用し、世界で100万人以上と推定される網膜色素変性症により中途失明した人に光を取り戻すための視覚再生プロジェクト「NEW VISION」を推進している。その中で、同社の色信号制御アルゴリズムによるスマートグラス(頭部装着型映像提示プリズムグラス)は、日本及び米国での特許取得に続き、欧州5ヶ国や中国、香港及び台湾においても特許登録が完了した。こうした色信号を制御して脳に伝送する有機物制御技術は、まさにヒューマンオーグメンテーション(HA:テクノロジーによって人間の能力を拡張すること)といえ、同社は、テクノロジーと人間が一体化し時間や空間を超えて相互に能力を強化するIoA(Internet of Abilities)の分野までを視野に入れて事業展開していく考えである。

ほかにも、コンピュータビジョンの分野でインターネットの画像や映像をTVレベルの品質に高める自動変換制御可能な画像処理テクノロジーの研究開発を推進するなど、長期的な視野に立った研究開発を様々に進めている。このため、独自技術を強みにしているとはいえ、事業拡大やイノベーションを加速するためパートナー戦略も推進している。一方、大手企業を含め、様々な業種で同社の技術に魅力を感じている企業が多いようで、特に「NEQTO」の開発を機に売り込みや提携先からの紹介が増えてパートナー戦略が加速、技術やビジネスの進化が好循環する状況になってきた。直近の例として、東日本電信電話(株)(NTT東日本)と業務提携し、スマートホームの世界標準規格「Matter」に対応したゲートウェイやソフトウエアの領域で、共同でのサービス提供に向けた開発を開始した。また、SBIセキュリティ・ソリューションズ(株)と合弁会社SBI JIG-SAWモダナイゼーションズ(株)を設立し、金融業界におけるデータコントロール(監視・運用・制御)サービスをグローバルに提供していく方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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