ADワークスグループ Research Memo(7):2023年12月期までの第1次中期計画はおおむね当初の目標を達成
■中期経営計画
1. 第1次中期経営計画の振り返り
ADワークスグループ<2982>は第1次中期経営計画(2021年12月期~2023年12月期)の3年間を、収益不動産カンパニーから投資ソリューションカンパニーへと脱皮し、長期的に持続的な成長を実現していくための準備期間として位置付け、1) SDGs経営の推進、2) 「複利の経営」への転換、3) 「プライム市場」の上場維持、4) 「5年後3割※」への通過点、の4つのテーマを掲げ、その取り組みを推進してきた。また、事業戦略としては積極的な仕入活動による収益不動産残高の積み上げと、取扱い物件の大型化による販売効率の向上、地域の環境や働き方の変化に対応した商品企画による価値創造、商品ラインナップ拡充による顧客層の拡張(不動産小口化商品による個人投資家層の獲得等)、安定収益基盤となるストック型フィービジネスの拡大に注力してきた。
※DXによる革新、CVC事業を通じた新たな価値創造、持株会社体制下でのM&Aや資本提携、業務提携の加速により、“脱”不動産事業の収益割合を2025年12月期に全体の3割にすることを目標としていた。
これら取り組みの結果、経営数値目標として掲げた税引前利益20億円及び超過利潤(WACCを上回るROIC)を2023年12月期で達成した。新規事業の育成が遅れ気味となっているほか、REIT事業への進出も市場環境を踏まえ凍結、米国での事業展開は金利上昇による市況悪化で苦戦を強いられるなどすべてが順調だったわけではないが、業績面では過去最高を更新するなど全体的に見ればポジティブに評価できる。なお、「プライム市場」の上場維持基準について、2023年12月末時点で流通株式時価総額が約98億円と基準の100億円に若干届いていないが、今後もROICの向上に取り組むことで企業価値を高め、上場基準をクリアしていく方針だ。なお、株価が250円を上回れば基準をクリアするものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ