酒井重 Research Memo(4):特に北米を中心とした海外向けが好調に推移
■業績動向
1. 2024年3月期第3四半期の業績概要
酒井重工業<6358>の2024年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が24,301百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益が2,580百万円(同62.7%増)、経常利益が2,676百万円(同68.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,947百万円(同66.1%増)と、おおむね計画どおりだった。
価格改定効果や輸送費の落ち着き、円安などにより売上総利益率が29.1%(前年同期は25.6%)と改善し、販管費が10.5%増に留まったことから営業利益は大幅増益となった。しかしながら、第3四半期会計期間だけを見ると営業利益は18.5%増に留まっており、増益ペースは上期に比べるとややスローダウンしている。
2. 地域区分別の動向
地域区分別売上高では、国内は国土強靭化加速化対策を背景として堅調な市場環境ながら、度重なる価格改定、幅広いコスト上昇に対して設備投資動向が足踏み傾向となり、売上高は前年同期比1.9%増の11,070百万円となった。海外では、主要な市場における建機需要の回復が進んだことに加えて円安効果もあり、同17.5%増の13,231百万円となった。特に米国ではインフラ投資法を背景とした道路建設投資の拡大と円安効果により同31.8%増の6,626百万円となった。アジア向けは、インドネシアで需要回復が進んだものの中国及びインドネシアを除いたASEAN市場(主にタイ、ベトナム)が減速し、同3.5%減の5,503百万円となった。その他市場向けは、大洋州市場が堅調に推移するとともにアフリカ向けODA案件が加わり、同108.2%増の1,101百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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提供:フィスコ