39000円処での底堅さを見極める流れ/オープニングコメント
29日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。28日の米国市場は、NYダウが23ドル安、ナスダックは87ポイント安だった。2023年10-12月期国内総生産(GDP)改定値が下方修正され、景気への楽観的見方が後退するなかで売りが先行した。ただし、米長期金利の低下が安心感につながり下値を支えたほか、重要インフレ指標の発表を翌日に控えた調整で、終盤にかけての買戻しに下げ幅を縮小した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比125円安の39045円、円相場は1ドル150円60銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時39000円を下回る場面も見られており、節目の39000円処での底堅さを見極める流れになりそうだ。米国では29日に1月の個人消費支出(PCE)の発表を控えていることから、持ち高調整の動きが入りやすい需給状況とみられる。ただし、日経平均株価は足もとで調整を見せているが、最高値圏での推移であり、先高期待は強い。39000円を下回ってくる局面では売り仕掛け的な動きが意識されそうだが、押し目待ち狙いの買い意欲の強さが確認されそうだ。
米国ではエヌビディアなど半導体株の一角が利食い売りに押されており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株は手掛けづらく、日経平均株価の重荷となる可能性がある。ただし、昨日の値動きをみても、東エレク<8035>はプラス圏での推移となり、弱含んでいたアドバンテスト<6857>もプラス圏を回復していた。調整を見せてきているものの、断続的に買いが入っているとみられ、売り仕掛け的な動きに対しては、その後のリバウンド狙いのスタンスに向かわせそうだ。
そのほか、日経平均株価が高値圏でのこう着が続くなか、相対的に出遅れていた中小型株を見直す動きが顕著に表れてきている。また、3月相場入りとなるなか、配当志向の物色も意識されやすく、バリュー株への資金シフトもみられており、物色意欲の強さが窺える。低位材料株などは短期的な値幅取り狙いの資金が集中しやすく、低迷が続いていた銘柄ほど、短期資金が集中しやすいだろう。
《AK》
提供:フィスコ