フェローテク Research Memo(4):高水準の設備投資により有形固定資産、有利子負債が増加
■フェローテックホールディングス<6890>の業績動向
(2) 財務状況
2024年3月期第2四半期末の財務状況は、流動資産が246,956百万円(前期末比31,615百万円増)となった。主に現金及び預金の増加16,937百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加4,896百万円、たな卸資産の増加8,188百万円による。現金及び預金が大幅増となったのは、主に中国子会社の第三者割当増資による増加(6,900百万円)である。固定資産は前期末比で34,313百万円増加し229,619百万円となった。主にマテリアル製品(石英、セラミックス、シリコンパーツ)、パワー半導体用基板、石英坩堝等の増産投資を実施したことによる有形固定資産の増加31,609百万円、無形固定資産の減少291百万円(主に連結子会社による「のれん」の減少102百万円)、投資その他資産の増加2,996百万円(関係会社株式の増加975百万円、その他投資の増加2,050百万円など)による。その結果、資産合計は476,576百万円(同65,928百万円増)となった。
負債合計は、204,741百万円(同43,750百万円増)となった。要因として、電子記録債務を含む支払手形及び買掛金の減少4,209百万円、1年内償還予定の社債と1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金等の増加6,086百万円、社債の減少3,399百万円、転換社債型新株予約権付社債の増加25,000百万円、長期借入金の増加19,029百万円等による。また純資産合計は、271,834百万円(同22,178百万円増)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加5,810百万円、円安進行に伴う為替換算調整勘定の増加9,945百万円、中国子会社への第三者割当増資による非支配株主持分の増加5,978百万円等によるものである。この結果、2024年3月期第2四半期末の自己資本比率は42.0%(前期末は44.7%)となった。
2. セグメント別概況
セグメント別では、主力の半導体等装置関連は売上高60,257百万円(前年同期比5.5%減)、営業利益7,788百万円(同33.5%減)、電子デバイスは売上高32,840百万円(同42.3%増)、営業利益6,080百万円(同14.2%増)、その他は売上高12,396百万円(同16.5%増)、営業損失179百万円(前年同期は398百万円の利益)となった。
3. 主な設備投資
投資額(有形固定資産、無形固定資産、有価証券の取得等の合計)は36,291百万円(前年同期は29,909百万円)となった。各事業の積極投資を継続、主な投資内容は、マレーシアの石英・セラミックス工場に51億円、常山のセラミックス・シリコンパーツに57億円、四川のパワー基板に38億円、銀川の石英坩堝等に46億円等であった。減価償却費は7,913百万円(同5,596百万円)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《SI》
提供:フィスコ