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4922 コーセー

東証P
6,620円
前日比
-156
-2.30%
PTS
6,645円
18:25 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
47.2 1.41 2.11 22.77
時価総額 4,011億円
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「お出かけ」機会の増加で追い風吹く 「美容家電」魅惑の関連株リスト <株探トップ特集>


―白物家電減速もドライヤーは好調、今後はアジアなど海外展開も強化へ―

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5月に5類に移行して以来、行動制限の反動から人々の外出機会が増えている。人に会う機会が増えたことで、自分の身だしなみに意識を向ける人も増えており、それに伴いドライヤーなど 美容家電の需要が高まっている。

 美容家電はメーカー各社にとっても、成長が実感できる数少ない分野であり、新製品の開発も活発だ。冬本番を迎えて空気が乾燥していることも美容への関心を高めることにつながっており、株式市場でも美容家電への注目度は高まりそうだ。

●上期のヘアドライヤー出荷額は25%増

 日本電機工業会(JEMA)によると、2023年度上期の国内白物家電の出荷額は1兆3116億円と前年同期に比べて3.2%減と2年ぶりに減少した。物価高による消費者の節約志向が大型家電を中心とした耐久消費財の購入に影響したほか、コロナ禍明けの外出機会の増加により、耐久消費財から旅行や外食などのサービス消費へのシフトが進んだことが要因としている。

 白物家電全体が落ち込むなか、前年同期比24.9%増と気を吐いたのがヘアドライヤーだ。出荷額増加の要因として、外出機会の増加による需要回復があったとしており、自分の容姿に意識を向ける人の需要が出荷額の増加につながったようだ。

 もちろん、ヘアドライヤーだけで美容家電全体の動向を推し量ることはできないものの、同工業会では下期の動向として、「インバウンド需要の回復や外出機会の増加により、理美容家電の需要回復は期待される」としており、人々の志向が美容家電に向かっているといえる。

●ジェンダーレス化も追い風

 もともと美容家電は、女性の活躍の場の広がりを背景に市場規模が拡大してきた分野だった。それが2000年代に入り、エステティックサロンや美容室での美容施術効果を家庭でも得られることを訴求した美顔器や脱毛/除毛機器などが登場したことで新たな需要を創出。一方で、業務用で美容機器を展開するメーカーが市販品を手掛け始めたことも市場の広がりに貢献した。近年ではジェンダーレス化で、性別を問わずに関心を持つ人が増えていることや、家電量販店などでビューティーケア売り場の拡充が進んだことなども、この傾向に拍車をかけている。

 更に注目されているのが海外市場で、中国をはじめとしたアジア圏では、若年層を中心に脱毛機器や美顔器などが人気とされ、なかでも高機能・高品質な日本製品には根強い需要がある。SNS上での口コミなどでヒット化する商品も多く出ており、市場の活性化にもつながっている。

●異業種からも続々と参入

 拡大する市場を取り込もうと、異業種の参入も目立つようになった。

 エレコム <6750> [東証P]は今年7月、中堅家電メーカーのティーエスシー(テスコム電機グループの持ち株会社)を子会社化した。テスコムは、ヘアドライヤーやヘアアイロンをはじめとした美容家電製品の主要プレーヤーとして認知されており、エレコムが持つバッテリーの制御技術を生かして、コンパクトで持ち運びに便利なヘアアイロンなどを開発する。

 またカシオ計算機 <6952> [東証P]は、コーセー <4922> [東証P]との協業でネイルプリンターを開発し22年7月に発売した。美容ニーズが多様化するなか、それに対応した商品の裾野も広がっており、関連企業のビジネスチャンスは拡大している。

●注目される美容家電関連銘柄

 I-ne <4933> [東証P]は、ボタニカルシャンプーブランドの「BOTANIST」シリーズが主力だが、美容家電ブランド「SALONIA」を展開しており、美容家電は売上高の約4分の1を占める。25年12月期に売上高550億円を目指す中期経営計画では、美容家電は商品ラインアップの拡充を図る方針で、売上高140億円(23年12月期予想102億円)を目指している。

 ヤーマン <6630> [東証P]は、美容ローラーや美容家電の大手で、美容家電を含む美容機器が売上高の約8割を占めている。近年ではドライヤー、ヘアアイロンなどのヘアケア製品やシェーバーなどの新カテゴリーを創出し育成ブランドとして注力しており、美容機器の性能をより向上させるオリジナルの機能性化粧品を拡充することで、リピート商材販売の基盤を構築するとともにブランドの強化を図る方針。あわせて中国・アメリカ子会社の投資を強化し、グローバル展開も推進する計画だ。

 パナソニック ホールディングス <6752> [東証P]はヘアケア、フェイスケア、ボディケア家電などを手掛けている。今年7月には、美容家電やグルーミング家電の体感施設を東京・表参道に開業した。同施設では新製品をいち早く体験できるほか、肌や髪に関する分析サービスなどが受けられる。美容セミナーやライブコマースなどの情報発信を行うスタジオも用意され、美容に興味のある人だけではなく、インバウンドなどへも同社製品をアピールする。

 MTG <7806> [東証G]は「ReFa」ブランドで美顔器や脱毛器、ヘアケアなどの美容家電を展開している。23年9月期連結決算で、ReFaブランド事業は前の期比43%増の422億円へ伸長。テレビCMなどで話題のシャワーに加えて、ドライヤーやヘアアイロンなども好調に推移した。同社では更に同事業の拡大を図るため、体験価値の拡大や中国・韓国などグローバル展開に注力する方針で、東京・銀座に同ブランドの旗艦店を出店する方針だ。

 このほか、ヘアケア製品やフェイスケア製品などの美容家電を展開するマクセル <6810> [東証P]、自社ブランドでドライヤーやヘッドケア、フェイススチーマーなどを展開するツインバード <6897> [東証S]、「エイミー」ブランドでブラシ型美容機器やドライヤー、アイケアなどの美容家電を展開するツカモトコーポレーション <8025> [東証S]などにも注目したい。

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