【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 大変革"真っ只中"の証券関連に投資妙味あり!
「大変革“真っ只中”の証券関連に投資妙味あり!」
●裏切られた「平和な100年」への期待
21世紀は戦争のない平和な100年になるはずだったのではないか。ところが、現実はまったく異なる。ウクライナ戦争に続き、新たにイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争だ。マスコミの一部は「戦争」と呼ばず「衝突」などと表現しているところもあるが、すでに2000人以上の死者が出ているというのだから、これはもう明らかに「戦争」だ。
戦争が勃発すると、株式市場は沸き立つ。19世紀のワーテルローの戦いの際には、英国の大富豪ロスチャイルドが「銃声が鳴ったら株を買え」という格言を残したとされている。以来、第二次世界大戦までは確かに「戦争→株は買い」だったものの、その後は必ずしもそうはなっていない。
ベトナム戦争、湾岸戦争、そしてウクライナ戦争、どの戦争でも株価は少し上昇するのだが、「戦争だ、買いだッ」と意気込むほどは上がっていない。情報過多の時代となり、好悪の材料が錯綜してしまうため、確信を持って投資しにくいためだろう。
今回のイスラエルとハマスの戦争にしても、イスラエル有利とは限らないといった内容の情報も報じられるだろうから、投資はやりにくい。
それに、イスラエル軍がガザ地区に攻め込んで一般市民の被害が大きくなると、世界の世論はイスラエルに味方しないだろう。これまでマスコミはどちらかといえばパレスチナに共感を示す傾向が強かった。地上侵攻が始まれば一般市民の犠牲はさらに詳細に報じられることになるだろうから、イスラエルは大規模な強攻策を進めにくくなる。
●改革の激流をチャンスに変える銘柄は?
こうなると苦戦が続く恐れがあり、戦争勃発で買われた銘柄も株価上昇の持続性には疑問が生じる。そこで、私はもっと平和な材料で買われ、株価上昇の継続性が高い業種に目を向けたい。それが 証券関連株だ。改めて述べるまでもなく、証券業界はいま大改革の真っ只中にある。
(1)東京証券取引所が上場企業に対してPBR1倍割れの改善を求めている
(2)TOPIXの採用規準を見直し、該当しない企業を構成銘柄から外しはじめた
(3)2024年11月5日から株式取引の売買時間を30分延長する
(4)2024年1月から新NISA(少額投資非課税制度)が始まる
(5)株の売買手数料をゼロにする証券会社が出現しはじめた
これらは日本の株式市場の長い歴史の中でも大きな改革であり、当然、証券関連株にも多くはプラスに働くと見てよい。そこで、注目銘柄だ。
まずはなんといっても、大改革のプロデューサーである日本取引所グループ <8697> [東証P]だ。この銘柄はこれまでに数回取り上げていて、株価は明らかに高値圏ながら、証券市場の改革プロジェクトは今後も続くのだ。この点を考えると、株価はさらなる高値があるとみてよい。
業界首位の野村ホールディングス <8604> [東証P]も忘れてはなるまい。SBIが仕掛けた手数料ゼロ策は、相対取引に強い野村にはマイナスに働くと見るのが自然だが、結局は顧客たちのほとんどは野村から離れないだろう。それに新NISAの開始は、この会社にも大きなメリットをもたらす。
中小型企業の調査に秀でるという特色を持つ、いちよし証券 <8624> [東証P]も、コアな顧客を囲い込んでおり、積極派の投資家たちの間で信頼性が高いだけに、株価は復活が見込める。
そう、そう。忘れるところだった。手数料ゼロ策を最初に打ち出したSBIホールディングス <8473> [東証P]も、株価が現在水準で止まってしまうことはまず考えられない。なにしろSBI証券は口座数首位でもある。株価は緩やかながら安定的な上昇トレンドを描くだろう。
最後は株式投資関連から離れて、他業種の銘柄を挙げたい。補聴器のリオン <6823> [東証P]だ。いまさら改めて書くのも気が引けるが、日本には現在80歳以上の高齢者が10人に1人いる。当然、補聴器が必要な人も増加すると見るのが自然だ。私は幸い、いまのところ聴覚に問題はないものの、やがて必要になるだろう。こう考えると、リオン株は魅力的に見える。
2023年10月13日 記
株探ニュース