電算システムHD Research Memo(8):3ヶ年計画と2027年12月期までの長期的な経営方針を定める
■成長戦略
1. 長期計画「Challenge1000」
電算システムホールディングス<4072>は「Challenge1000」を掲げ、ESG、SDGsの要素を加味しながら、2027年12月期に売上高1,000億円を目指している。これまで培った情報処理に関するノウハウとIT技術とサービスを組み合わせることで生まれる「新しい価値の創造」を、「情報サービス事業」「収納代行サービス事業」「クラウドサービス事業」「新規事業」の4つの事業を通じて実現していく。ESG、SDGsの具体的な施策としては、紙を使う同社の主力商品である収納代行サービスの払込票において、紙に代わる形態(PAYSLE、SMS等)に注力するほか、顧客のクラウド利用拡大を目指すデータセンターでは、社会全体にとってエネルギー利用の効率化に寄与している。さらに、データセンター自体でも電力使用効率向上(省エネ)と、将来は再生可能エネルギー利用率の向上に取り組む。そのほか、DSKマルチインボイスサービス(請求書作成代行新サービス)による請求書の電子化もESG、SDGsにつながるとしている。
2. 3ヶ年計画
同社は中期目標として3ヶ年計画(2023年12月期~2025年12月期)を設定し、2025年12月期に売上高820億円とする業績目標を定めている。これは、2027年12月期の売上高1,000億円達成に向けたステップである。目標達成のため、これまでの事業の柱である「情報サービス事業」「収納代行サービス事業」に「クラウドサービス事業」「新規事業」を加えて構造改革を行った。新規事業ではDX事業、セキュリティ事業、十六FGと合弁事業を立ち上げている。DX事業においては行政DX向けソリューションを提供し、顧客のDX推進をトータルサポートする。セキュリティ事業ではグループ3社の協業拡大により事業成長を目指す。また、クラウドサービス事業では、東濃IDCにおけるパブリッククラウドを軸としたハイブリッドクラウド構築サービスの開始と、Google関連ソリューションの拡販、文教マーケットへの進出に取り組んでいる。
十六FGとの合弁事業については、2022年に合弁事業会社JDDSを設立し、事業を開始した。同社のソリューション提案力と十六FGの営業地域における基盤・ネットワークを融合することで、地域企業や行政のデジタル化及びDXを推進している。さらに十六FGのDX力高度化を目的に、商品・サービス開発に向けた取り組みのほか、AI/RPAの持続的開発と実装、十六FG全体のITスキル(要員/組織)の向上に注力していく。なお、JDDSの5~10年先の売上高は30億円規模を目指すとしている。足元では売上規模こそ大きくはないものの、現在は地元企業のDX推進に向けた需要を取り込んでいるところであり、中長期的に事業拡大が期待される分野であると弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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提供:フィスコ