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為替週間見通し:ドルは底堅い値動きか、日米金利差にらみ150円超えの可能性も


 

【今週の概況】
■強含み、米追加利上げを想定したドル買い継続

今週のドル・円は強含み。9月27日発表の8月米耐久財受注速報値は予想に反して増加したこと、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁は年内追加利上げを想定し、利下げは2025年以降になるとの見方を伝えたことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが観測された。ドル・円は一時149円71銭まで買われた。日本政府は過度な円安を懸念しており、円買い介入が実施される可能性はあるものの、日米金利差の拡大が想定されており、円買い介入を警戒した米ドル売り・円買いの動きは一部にとどまった。

29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、148円96銭まで下落後、149円49銭まで
反発した。この日発表された8月コアPCE価格指数は市場予想と一致し、上昇率は7月実績を下回ったことから、ドル売りが一時強まった。しかし、市場の年内追加利上げ観測は後退せず、米長期金利は下げ渋ったことを意識してドル買い・円売りが再び強まる展開となった。ドル・円は149円37銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:148円25銭-149円71銭。

【来週の見通し】
■ドルは底堅い値動きか、日米金利差にらみ150円超えの可能性も

来週のドル・円は底堅い値動きとなりそうだ。日米金利差が意識され1ドル=150円突破の可能性はあるが、日本政府による円安けん制がさらに強まり、リスク選好的な円売りが後退した場合、ドルの上値はやや重くなる可能性がある。ドル・円の150円台が視野に入ると日本政府はけん制姿勢を強め、鈴木財務相は「あらゆる措置を排除せず適切に対応する」と昨年以来の為替介入をちらつかせている。ただ、「昨年と異なり足元のドル・円相場はボラティリティがそれほど大きいとは言えない」(短期筋)と介入の実施については見方が分かれているようだ。

一方、足元で発表された米経済指標は堅調な内容が目立ち、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め方針を後押し。米10年債利回りは2007年10月以来となる4.7%近辺まで上昇し、来週発表の9月雇用統計などが強い内容なら金利高・ドル高の基調は維持される見込み。英国、スイスの中央銀行は政策金利の据え置きを発表したが、欧州中央銀行(ECB)も次回以降は政策金利の据え置きが予想される。FRBの利上げ余地で欧州通貨に対するドル選好地合いがさらに強まれば、ドル・円の取引でもドル買いが強まる見通し。

【米・9月ISM製造業景況指数】(10月2日発表予定)
10月2日発表の9月ISM製造業景況指数は47.8と、前月から小幅改善が予想される。ただ、先行指数とみられるフィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナスに転じ、9月ISM製造業景況指数が市場予想を下回った場合、ドル売り要因に。

【米・9月雇用統計】(10月6日発表予定)
10月6日発表の米9月雇用統計は失業率が3.7%、非農業部門雇用者数は前月比+17.0万人、平均時給は前年比+4.3%と予想されている。市場予想とおおむね一致した場合、ドル買い材料になるとの見方が多いようだ。

予想レンジ:148円00銭-151円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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