アドバンスクリエイト---3Qは減収減益なるも、不確実要素の低減に取り組み売上減少の影響軽減
アドバンスクリエイト<8798>は10日、2023年9月期第3四半期(22年10月-23年6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比2.1%減の86.35億円、営業損失が5.84億円(前年同期は16.18億円の利益)、経常損失が7.24億円(同 15.50億円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が6.69億円(同 10.07億円の利益)となった。当社は新会計基準を適用し、将来発生手数料をストラクチャードファイナンス(債権流動化)により正味現在価値(PV)を算定し、売上として計上しているが、解約率が想定を上回ったことにより、過去に売上として計上していた PVも算定しなおし、貸し倒れが発生した時と同様に、売上から差し引く(売上戻入)必要がある。第2四半期では、外貨建保険の解約(売上戻入)が増加し、新型コロナウイルス感染症の影響により再保険事業の収益が悪化しており、第3四半期でも売上戻入が高水準で維持され、前年同期比で収益が減少した。現在は円安の影響が収束し、解約が減少している。また、デジタル化によりコールセンターの効率化を図り、アポイントの獲得コストを低減できる見込みである。また、ストラクチャードファイナンスの見直しや不確実性の排除に取り組んでいる。株主への安定的な還元を考慮し、通期配当および株主優待については変更しない方針としている。同社は、「人とテクノロジーを深化させ進化する会社」を掲げ、保険業界のプラットフォーム構築やオンラインとオフラインの融合に取り組んでいる。ビデオ通話システム「Dynamic OMO」を活用してオンライン保険相談を行い、アバターを使用した保険募集も実施している。コンサルティングプラザの改良、自動車保険などの分野も強化し、共通プラットフォームシステム「ACP」の開発やテキストコミュニケーションの活用、情報セキュリティ強化にも力を入れ事業拡大を目指す。保険代理店事業の売上高は前年同期比5.6%減の66.98億円、営業損失は10.89億円(同10.46億円の利益)となった。直営コンサルティングプラザにおける販売実績は前年同期比で堅調な推移を示した。一方で、外貨建保険を含む既存契約の解約および失効が増加し、売上戻入が発生した。また、前期からのコールセンター部門への投資によるコスト増が影響した。ASP事業の売上高は前年同期比22.0%増の1.87億円、営業利益は同76.9%増の0.70億円となった。乗合保険代理店等へのACPの新規販売が堅調に推移し増収増益となった。メディア事業の売上高は前年同期比55.0%増の21.05億円、営業利益は同43.5%増の4.54億円となった。保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」への広告出稿が堅調に推移し増収増益となった。メディアレップ事業の売上高は前年同期比11.9%増の10.20億円、営業利益は同26.9%減の1.06億円となった。「保険市場(ほけんいちば)」の運営を通じて蓄積したWebマーケティングのノウハウをベースに、保険専業の広告代理店として多様なサービス提供に取り組み、同時に前期に引き続き新たな広告手法の開発投資にも積極的に取り組んでいる。再保険事業の売上高は前年同期比7.7%増の8.24億円、営業損失は1.28億円(同0.67億円の利益)となった。売上高が引き続き順調に推移した一方、新型コロナウイルス感染症の影響が残っていたことで再保険金の支払いが増加した。2023年9月期通期の業績予想については、業績予想の修正を発表した。売上高が前期比1.2%増(前回予想比25.7%減)の120.00億円、営業損失が3.10億円、経常損失が5.00億円、当期純損失が4.80億円としている。
《SI》
提供:フィスコ