サイジニア Research Memo(5):株主価値の向上に向けて自己株式を取得、配当も検討
■株主還元策
サイジニア<6031>は設立以来配当を実施していないものの、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しており、財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元策を決定する考えである。また、同社は現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えている。なお、剰余金の配当を行う場合には、年1回の期末配当を基本方針としており、配当の決定機関は株主総会としている。また、中間配当を取締役会決議で行うことができる旨を定款に定めている。
同社は、ZETA買収時に発生した特別損失に起因する2022年6月期末の欠損を剰余金の処分によって補填することで財務体質を改善した。これに対し、株主還元を重視する考えから、剰余金の一部について株主還元に充てることとした。2023年3月に開催した臨時株主総会で決議を行い、主要株主のソフトバンク<9434>が売却する1,261,726株(発行済株式総数に対する割合19.76%)を2023年4月に取得し、消却やM&Aなどに充当する予定である。成長過程にあるため無配の方針は継続されるものの、中期的には配当を検討しているようだ。自己株式取得によってEPS(1株当たり当期純利益)の上昇が見込めるため、企業価値向上に直接つながる施策と評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《AS》
提供:フィスコ