貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6758 ソニーグループ

東証P
2,948.0円
前日比
-3.5
-0.12%
PTS
2,958円
23:58 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.1 2.30 0.68 2.94
時価総額 184,047億円
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【杉村富生の短期相場観測】 ─4~5月相場のテーマ&活躍株を探る(下)


「4~5月相場のテーマ&活躍株を探る(下)」

●質への逃避が物色面での傾向に!

 4月(新年度のスタート)相場は波乱の幕開けとなっている。しかし、これは想定内の出来事だ。外部環境は不透明だし、機関投資家は「新年度には売りから入る」と指摘してきたじゃないか。

 ただ、心配は無用だろう。ズルズルと下げる相場ではない。実需筋のリバランスは早晩、一巡する。SQ(4月14日)後には買い優勢になると思う。

 半面、物色傾向には変化がみられる。すなわち、「フライ・トゥ・クオリティ(flight to quality)」と形容されるように、質への逃避だ。これは通常、株式売りの債券買いのケースに使われるが、今回は株式市場内で起こっている。具体的には銀行株売りの巨大IT企業買いである。実際、エヌビディア<NVDA>、アップル<AAPL>などが急騰している。

 景気は日米ともに、後退局面だ。米国債2年物利回りは3月8日に5.066%だったが、4月6日は3.829%に低下している。この背景には5月の利上げ打ち止め観測に加え、金融システム不安の存在、景気指標の悪化があろう。日本ではリビジョンインデックス(RI)が低下、これは下方修正の割合が多いことを意味する。

 RIが低下する(業績予想の下振れ加速)局面ではクオリティ戦略が有効とされている。すなわち、配当をはじめ、ROE(株主資本利益率)、有利子負債資本倍率、アクルーアル比率(当期純利益から営業キャッシュフローを引き、総資産で除した値)などをベースに銘柄をピックアップする。要するに、質の良い銘柄を狙う。

●ワールドホールディングス、アーレスティなどを!

 とはいえ、収益力とか、財務内容をチェックするのは一般的には難しい。だからこそ、筆者はテーマ性を有する好業績銘柄、ないしは業績が急浮上に転じる銘柄をクオリティ株と位置づけている。いわゆる、テーマ性とは世相にカネを乗せること。次世代燃料エンジン開発のジャパンエンジンコーポレーション <6016> [東証S]の爆騰が好例だろう。

 したがって、テーマ性の解析が重要になる。現在、話題のテーマとしては水素アンモニアAI(人工知能)パワー半導体インバウンド量子コンピューター、ChatGPT、半導体製造装置などが人気を集めている。これ以外では製造業の国内回帰、新工場の建設ラッシュ、自動車販売の復調(中国、米国)、東証改革第2弾などに注目できる。

 製造業の国内回帰、新工場の建設ラッシュは熊本(菊陽町)が象徴的な事例だろう。ここには台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>、ソニーグループ <6758> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、JCU <4975> [東証P]、フェローテックホールディングス <6890> [東証S]など主力企業の工場建設が相次いでいる。

 福岡市に本社を置くワールドホールディングス <2429> [東証P]は主力の人材派遣、請負がこのメリットを満喫できるだろう。足もとの業績は絶好調だ。2022年12月期の1株利益は305.5円(2021年12月期は265円)だったが、2023年12月期は344.7円を見込み、配当は12円増の103.5円とする方針である。

 自動車販売の復調、東証改革第2弾の視点ではこの3年間、自動車業界の減産に苦しめられてきたPBR0.22倍のアーレスティ <5852> [東証P]はどうか。PBR1倍を目指すのは容易ではないが、業績はV字型の回復が期待されているし、オーナー直系の高橋新一氏が社長に就任、構造改革を断行中だ。この効果が顕在化するだろう。

2023年4月7日 記

株探ニュース

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