貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6758 ソニーグループ

東証P
2,948.0円
前日比
-3.5
-0.12%
PTS
2,958円
23:58 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.1 2.30 0.68 2.94
時価総額 184,047億円
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【植木靖男の相場展望】 ─世界の余剰資金は日本株へ向かうか!


「世界の余剰資金は日本株へ向かうか!」

●スタグフレーションへの警戒を強める米国市場

 日経平均株価は、中国景気の回復期待や米国株高を手掛かりに、海外短期筋による株価指数先物への断続的な買いが入り、3月にかけて上昇した。

 だが、3月9日に2万8734円の高値をつけたあと、米銀の相次ぐ破綻に伴う金融システム不安や、日米金利差縮小を意識したドル安・円高もあって急落。3月16日には心理的なフシ目である2万7000円も割り込んだ。

 ただ、この2万7000円割れで目先の底を打ち、日本株は反騰に転じた。金融システム不安も米当局の素早い対処でとりあえず落ち着き、売られた金融株を中心に反発。折しも3月決算期末を控えて配当取りの買いも入り始めた。さらに東証によるPBR1倍割れ企業への是正要請という好材料が顕在化。原油高も追い風になって株価を押し上げた。

 チャート的には年初来、大きな支持・抵抗線として機能していた25日、75日移動平均線をクリア。さらに戻り相場の肝となる2万7800円処も明確に突破して3月31日には2万8000円大台を回復した。

 しかし、22年9月以降、レンジ相場の上値は2万8000円処であり鬼門となっている。下げれば上がり、上げれば下がるという相場の鉄則通り、4月5日には利喰いや戻り待ちの売り圧力に押されて急落した。この日は大発会以降に上昇に転じ今後も期待されている主力株の一角、たとえば日本製鉄 <5401> [東証P]やソニーグループ <6758> [東証P]といった銘柄の下げが厳しく、先行きへの懸念が強まった。

 では今後、日本株はどう展開するとみればよいのか。大きなレンジ相場(2万6000~2万8000円)の中で、当面はいったん2万7000円処で下げ止まるとみているが、問題はその後である。

 ここでの下げの要因は、一言でいえば、このところ発表される米国の経済指標がスタグフレーションの到来を示唆するようなものばかりだったことだ。

 これまでは、景気悪化のシグナルは米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待につながり、株価はむしろ上昇をみせていた。しかし、いまは景気悪化と物価上昇が同時進行するスタグフレーションへの懸念が強まって株価を押し下げている。

 つまり市場は、インフレはなかなか収束しないと諦めているかのようだ。実際、金融システム不安を鎮火するためにFRBは資金供給を増やしており、その資産はむしろ増えているという。これでは本来の引き締め効果は期待できないだろう。まさにインフレ下での景気悪化である。

●メガバンクの押し目をじっくり拾いたい

 さて、日本株はどうか。折に触れて指摘しているが、日本は米国に比べて周回遅れにある市場だ。筆者は、これからバブル相場に入るとみている。

 世界の資金が日本市場に流入してくる可能性は大きいのではないか。4月5日付の日本経済新聞は「著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが円建て社債の発行を準備していることが5日、分かった」と報じている。バークシャー・ハサウェイ<BRK.B>による日本株への追加投資が期待できそうだ。これをきっかけに世界の余剰資金が日本に上陸するとの見方が強まる可能性がある。

 日本株が上昇に転じるかどうかは、円相場の行方次第だろう。いま為替市場は円高気味である。すでにドル・円相場は75日移動平均線を下回っているが、再び同線を上回って円安基調になれば、そこから株価は反騰態勢を強めよう。

 現在、海外の余剰資金は、収益力・財務力の強さを評価して米国のIT企業に向かっているが、いずれPBR1倍以下の日本の大型株へと流れは変わるとみている。筆頭は銀行株か。メガバンク株の押し目をじっくり拾っておきたい。

2023年4月7日 記

株探ニュース

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