貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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5713 住友金属鉱山

東証P
3,823円
前日比
-41
-1.06%
PTS
3,824円
22:17 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.7 0.54 2.59 22.41
時価総額 11,118億円
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強まる「金関連株」の長期上昇観測、スタグフレーション懸念拭えず再評価 <株探トップ特集>


―金融不安には強弱観対立も買い需要旺盛、複合リスク意識し最高値更新も視野―

 28日の日経平均株価は前日比41円高の2万7518円と続伸した。米金融システム不安が後退するなか、銀行株などが値を上げた。ただ、金融不安はなおくすぶり続けるとの声が多い。また、米国を中心にインフレと景気後退が並存するスタグフレーションへの警戒感も根強い。そんななか、注目を集めているのが金の動向だ。金は史上最高値水準にあるが、長期上昇局面は続くとの見方は少なくない。金価格とその関連株の行方を探った。

●金融不安を背景に最高値に迫る勢い

 金相場の堅調展開が続いている。ニューヨーク金先物価格は20日に一時、節目となる1トロイオンス=2000ドル台を突破。2020年8月につけた最高値2089.2ドルが目前に迫った。27日時点では1950ドル台の水準にあるが、依然として底堅い値動きとなっている。

 金価格が上昇基調を強める発端となったのは、今月10日に米地銀のシリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻し金融システム不安が世界に広がったことだ。この金融不安を背景に「安全資産」と呼ばれる金は、リスク資産からの逃避資金の受け皿となった。欧州でクレディ・スイス・グループ<CS>が経営危機に陥ったことなども、金価格の上昇要因に働いた。

●米金利ピークアウトでドル下落なら金は上昇も

 そのSVBを米地銀のファースト・シチズンズ・バンクシェアーズ<FCNCA>が買収することが26日に発表された。これを受け、金融不安の鎮静化に向けた期待が浮上するなか、安全資産である金は売りが優勢となり27日の金相場は下落した。ただ、先週末にはドイツ銀行<DB>の株価が急落するなど混乱は続いており、市場関係者からは「依然として金融不安は残る」との声は少なくない。そのため、金価格は当面高止まりで最高値更新を狙う展開も見込まれている。

 しかし、その先にもし金融不安がほぼ一巡したとすれば、「金価格は3月初旬時点の1800ドル前後の水準に戻ることも」(市場関係者)との声もある。金融不安で上昇した分が帳消しになるというのだ。ただし、それでも長期的視点からは金価格は上昇基調を維持するとの見方も出ている。

 金価格が上昇しているのは、金融不安を含む複合リスク要因が絡み合っているからだ。まず、金はドルの代替資産として位置づけられており、ドルが下落すると金は上昇するといった逆相関の関係が強い。今後、米長期金利がピークアウトするならドル安となり、その一方で金が浮上することが予想される。

●スタグフレーション時に最も輝く資産は「金」

 また、景気拡大が見込める緩やかな金利上昇でドルも上昇する場合は金価格にはマイナス要因に働くが、急激なインフレで通貨価値が低下した場合は金には買い材料となる。特に、いま市場で関心を集めているのは今後、インフレと景気後退が並存するスタグフレーションに突入するとしたら、その際のリスクヘッジをどうするかだ。

 「スタグフレーションにも種類があり、原油価格上昇などが要因なら金に加え原油などエネルギー資産を購入することがリスクヘッジとなる。しかし、話題となっている賃金上昇などが主要因でエネルギー価格もさほど上昇しないような場合は、買える資産は金ぐらいしかないのかもしれない」(アナリスト)とみられている。スタグフレーション時に最も輝くのは、やはり金となるのだ。

●中国・ロシアの金買いも価格押し上げ要因

 更に、20年以降に金の急激な上昇要因となったのは「新型コロナウイルス感染拡大」や「ウクライナ危機」といった、パンデミックによる突発的なショックや地政学リスクだ。緊急事態が発生した際のリスクヘッジ資産としての金に対する需要は強い。加えて米中分断が進むなか、中国やロシアの中央銀行が金保有を増やしている。何よりも、日米欧を中心とする世界の中央銀行が金融緩和を進めたことによる過剰流動性を背景に、金価格は高止まりしやすい構造が背景にはある。

 このため、金価格はいつ最高値を更新してもおかしくない状況にある。金融システム不安の見方には強弱観が対立しながらも、長期的な上昇基調は続くとみられている。

 金関連株では、金鉱山として世界最高級の品質を誇る菱刈鉱山(鹿児島県伊佐市)を擁する住友金属鉱山 <5713> [東証P]のほか、三菱マテリアル <5711> [東証P]やDOWAホールディングス <5714> [東証P]といった大手非鉄株が注目される。また、貴金属リサイクルを手掛ける松田産業 <7456> [東証P]やアサカ理研 <5724> [東証S]、フルヤ金属 <7826> [東証S]、加えて金買い取りのコメ兵ホールディングス <2780> [東証S]など。商品先物の豊トラスティ証券 <8747> [東証S]や第一商品 <8746> [東証S]、小林洋行 <8742> [東証S]、日産証券グループ <8705> [東証S]。それに、金価格に連動する金ETF(上場投信)のSPDRゴールド・シェア <1326> [東証E]やNEXT FUNDS 金価格連動型上場投信 <1328> [東証E]、純金上場信託(現物国内保管型) <1540> [東証E]、WisdomTree 金上場投資信託 <1672> [東証E]などが注目される。


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