アドバンクリエ Research Memo(5):2022年9月期は、2期連続で売上高、各利益ともに過去最高を更新
■業績動向
1. 2022年9月期の業績概要
アドバンスクリエイト<8798>の2022年9月期の連結業績は、売上高で前期比7.6%増の11,860百万円、営業利益で同1.0%増の2,061百万円、経常利益で同4.6%増の2,015百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同1.3%増の1,312百万円と増収増益決算となった。コロナ禍が続いた影響で期初計画に対しては若干未達となったものの、売上高、各利益ともに2期連続で過去最高を更新した。
売上高は5事業すべてで増収となり、なかでもメディア事業が前期比74.2%増、メディアレップ事業が同45.8%増と大きく伸長した。ここ数年、保険会社の広告費用配分としてWeb広告の比率が上昇しており、そのなかで費用対効果の高い同社サービスのニーズが高まったものと思われる。売上原価率は前期の22.3%から22.2%と若干低下した一方で、販管費率は59.2%から60.4%と上昇した。今後の成長を見据えた先行投資を実施したことによるもので、主なものとしては、保険代理店事業におけるコールセンター部門の派遣スタッフの増員、直営店の増床リニューアルなどを実施した。
コールセンター部門の増員については、保険商品の問い合わせ増加に対して処理能力が追い付かず、アポイント数が伸び悩むなど販売機会ロスが生じていたことや、今後のさらなる問い合わせ増加に対応するため、人員を前期末の約120名から260名強と大幅に増員した。同社のコールセンター部門の派遣スタッフは座学研修を1ヶ月間、現場研修を1ヶ月間行ったうえで戦力化するため、人員増強によるアポイント数増加の効果は3ヶ月目、そこから契約実績の効果が出るまでには直営店で1ヶ月、提携代理店で2~3ヶ月のタイムラグが生じることになる。
また、同社は今後の顧客数増加への対応とさらなるホスピタリティ向上に向けて、直営11店舗の増床リニューアルを順次進めてきた。2022年9月期は札幌支店、名古屋支店、梅田阪急支店、仙台支店、東京支店、福岡支店の6拠点で増床リニューアルを実施し、ほぼ一巡したことになる。今回の増床リニューアルに伴い直営店における従業員の収容能力も従来の約150名から約350名と2.3倍に拡大したことから、2023年9月期以降は営業スタッフの採用も積極化する予定である。
従業員数(派遣含む)の推移を見ると、2021年9月期末の466名から2022年9月期末は620名と1.3倍に増加しており、特にコールセンター部門が中心となる営業第三部及び契約管理部は2022年9月期第4四半期に大幅増員を実施した。この効果が業績面で顕在化してくるのは2023年9月期第2四半期以降になると同社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《NS》
提供:フィスコ