クオールホールディングス---21年3月期利益予想を達成
クオールホールディングス<3034>は14日、2021年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比2.2%減の1,618.32億円、営業利益が同4.8%減の73.64億円、経常利益が同7.7%減の74.03億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同17.3%減の33.65億円となった。
売上高は業績予想に届かなかったものの、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は会社予想を上回った。
なお2022年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比8.1%増の1,750.00億円、営業利益が同22.2%増の90.00億円、経常利益が同21.6%増の90.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同24.8%増の42.00億円を見込んでいる。
2021年3月期において、保険薬局事業の売上高は前期比2.9%減の1,487.22億円、営業利益は同10.7%減の64.78億円となった。なお、グループ内取引の経営管理料を除いた後の営業利益は同2.3%減の80.74億円となる。出店状況は、新規出店16店舗、事業譲受5店舗、子会社化による取得13店舗の計34店舗増加した一方、閉店16店舗、事業譲渡12店舗の計28店舗減少した結果、全体で店舗数は811店舗となった。薬局運営においては、クオール薬局恵比寿店に自動薬剤ピッキング装置「ドラッグステーション」や、オープン型宅配便ロッカー「PUDO(プドー)ステーション」、遠隔操作ロボット「newme(ニューミー)」といった最新鋭の技術を導入した他、ナチュラルローソンクオール薬局豊洲三丁目店においては、QRコードを使うことで非対面・非接触で薬の受け取りを可能にするロッカーを導入する等、次世代薬局のモデルを構築した。また、薬局事業の新たな柱として在宅・施設調剤の推進を図っている。業績については、処方の長期化による処方箋単価の上昇や、マスク・除菌消臭水等の感染予防商品の売上が増加した一方で、新型コロナウイルス感染症による受付回数の減少とそれに伴う技術料収入の減少等により減収減益となったが、国の求めるかかりつけ薬局・健康サポート薬局としての機能向上を進めるとともに、後発医薬品調剤体制加算や地域支援体制加算の取得店舗数を着実に伸ばしてきた。なお、健康サポート薬局の認定数は当年度末時点で154店舗となった。
また、医療関連事業の売上高は同7.2%増の131.09億円、営業利益は同0.4%増の13.50億円となった。なお、グループ内取引の経営管理料を除いた後の営業利益は同2.0%増の14.76億円となる。CSO事業においては、社内認定制度を設けている他、領域別の研修やEラーニングを行う等、医療現場から求められるCMRの育成に注力した。紹介派遣事業においては、医療関連事業の中核であるアポプラスステーションの紹介派遣事業をアポプラスキャリアとして分社化しており、2020年10月1日より事業を開始した。職種増加と業界内シェア拡大を進めるとともに、新たに事業承継支援やコスト削減支援といった、提供するサービスの拡充による売上増加に取り組んできた。医薬品製造販売事業においては、同社保険薬局での自社製品の販売促進及び大手提携製薬企業との共同プロモーション、治験薬の取り扱いにより収益改善を実現した。また、工場への設備投資、専門人財の採用や組織再編等、製薬企業としての機能強化も継続しており、受託製造をはじめとした事業の拡大に取り組んだ。
《YM》
提供:フィスコ